「まぐだら屋のマリア/原田マハ」を読んだ
ほんと読みまくってる原田マハ。馬事公苑Tsutayaで買って読んでみた「まぐだら屋のマリア」(幻冬舎文庫)について。
こんなあらすじ。とある海辺の田舎町"尽果(つきはて)"にある定食屋「まぐだら屋」、ここには様々な傷を負った人間が集まってくる。有名料亭で料理人見習いとして働いていた及川紫紋は、ある事件をきっかけに東京を逃げ出し、この店にたどり着いた。左手の薬指がすっぱり切り落とされている謎めいた女性マリア、母を殺したと駆け込んできた若者マルコ、乱暴だが心優しい漁師、マリアの事をひどく憎んでいる老女キリエ。尽果での人々との関わりを通して、頑になっていた紫紋の心と体がほどけていき、次第にマリアに心惹かれていく...。
これ、心に傷を追って死に場所を探す人達がマリアや尽果の集落の人々に助けられて、再生していく姿が描かれているんだけど、主人公の紫紋もマルコも重い過去を背負っていた。しかし一番の衝撃はマリアの過去。重たい現実が膿のようにドロドロと流れ出し、凄まじい悲惨な過去だった。それでも逃げ続けてきた苦しい現実にそれぞれが向き直り、もう一度生き直していく勇気と希望を手にしていく。壮絶だったけど救われる物語だった。
cf. 原田マハ 読破 List
- カフーを待ちわびて (2006)
- ランウェイ☆ビート (2008)
- さいはての彼女 (2008)
- キネマの神様 (2008)
- 花々 (2009)
- 本日は、お日柄もよく (2010)
- 星がひとつほしいとの祈り (2010)
- まぐだら屋のマリア (2011)
- 永遠をさがしに (2011)
- 楽園のカンヴァス (2012)
- 旅宿おかえり (2012)
- 生きるぼくら (2012)
- いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵 (2013)
- ジヴェルニーの食卓 (2013)
- 総理の夫 First Gentleman (2013)
- 翔ぶ少女 (2014)
- 太陽の棘 (2014)
- あなたは、誰かの大切な人 (2014)
- 暗幕のゲルニカ (2016)
- デトロイト美術館の奇跡 DIA:A Portrail of Life (2016)
- リーチ先生 (2016)
- 恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
- アノニム (2017)
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