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Monday, March 12, 2018

「Taxi/人生タクシー」を観た

Taxi 第65回ベルリン国際映画祭での金熊賞受賞作品「Taxi/人生タクシー」(2015/Cinema)について。
 こんなあらすじ。イラン政府への反体制行動によって映画の製作活動を禁じられたジャファル・パナヒ監督が自らタクシー運転手にふんし、車内に設置したカメラで客達の様子を撮影する。死刑制度について議論する教師と路上強盗、監督志望の大学生、金魚鉢を抱えた2人の老人、海賊版DVD業者などなどタクシーには様々な境遇の客達が乗り込んでくる。彼らと監督との対話からテヘランに生きる人々の人生模様やリアルなイラン社会の実情が浮かび上がってくる...。
 海外映画の海賊版DVDを販売する乗客の姿から、イランでは映画の流通が政府によって制限されていることを知った。死刑制度について議論する路上強盗と教師の姿から、イランが世界で2番目に死刑執行者数の多い国であることを知る。そしてバイクで事故を起こし瀕死の状態でタクシーに乗り込んだ夫婦から、イランでは遺言がない限り配偶者と言えども女性である妻に遺産が残されることはない事実を知った。そんな客達と運転手である監督の会話を通じて、イラン社会が抱える諸問題が伝わってきた。
 政府を批判しつつ小難しくないストーリーが好感を持てたロードムービーのような作品だった。

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