「レディ・ジョーカー/高村薫」を読んだ
タイトルだけは知ってて、なんか読んでみたいとずっと思ってた高村薫の「レディ・ジョーカー」<上/中/下>(新潮文庫)。この1か月、世田谷中央図書館で借りてイッキに読んでみた。
こんなあらすじ。薬局店主、警視庁刑事、トラック運転手、旋盤工、在日朝鮮人の信用金庫職員の5人は競馬場で知り合う。それぞれ5人は社会に対する言いようのない不満を抱えており、1兆円企業である日之出ビールの社長"城山"の誘拐を企てる。「身代金は20億。人質は350万キロリットルのビール」、合田警部補は事件を追う...。
これ、3冊で約1,500ページを超える超大作。グリコ森永事件を題材に、被差別部落問題、企業テロ、総会屋への利益供与、仕手筋による株価操作といった問題が浮上し、犯人グループ、日之出ビール、警察、検察、マスコミ、地下金融グループそれぞれが複雑に絡み合いながら物語が進んでいく。結末に向けて、その社会問題・経済犯罪が複数展開するためストーリー構成は重厚だし、主要登場人物も多く、複数の登場人物の視点が切り替わりながら、話が展開していくため、ほんと気が抜けない。
しっかし、総会屋と対峙する大企業の影の部分や、警察と検察の摩擦、マスコミの加熱報道の裏側など社会の見えない部分がこれでもかと描かれていて、ほんと読みごたえがあった。いやー読書したっていう読後の3冊だった。
cf. 高村薫 読破 List
- レディ・ジョーカー (1997)
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