「物語のおわり/湊かなえ」を読んだ
たまーに読んでる湊かなえ。三茶Tsutayaで買って読んでみた「物語のおわり」(朝日文庫)について。
こんなあらすじ。絵美は小さな山間の街で生まれ、両親は"ベーカリー・ラベンダー"というパン屋を営んでいた。両親が忙しいので、小さい頃から山の向こうの世界を想像しながら時間を潰していて、自分の物語を空想しては同級生の小野道代に話し、小説として書いていた。そんな彼女が書いた未完の物語「空の彼方」は、北海道で旅をする人々の間に手渡されていく...。
妊娠3ヶ月で癌が発覚した人、父親の死を機にプロカメラマンになる夢をあきらめようとする人、志望した会社に内定が決まったが自信の持てない人、娘のアメリカ行きを反対する人、仕事一筋に証券会社で働いてきた人...様々な悩みを抱えながら、人々は北海道へ旅をする。その旅の途中で未完の物語「空の彼方」を手渡されるというつながった短編集がこれ。北海道の雄大な自然を感じつつ、終わりのない物語「空の彼方」をそれぞれの人がそれぞれの感じ方をしていくんだけど、最後の最後に伏線が回収されて、本当の"物語のおわり"が見えたときは、なんか晴れ晴れとした気持ちになれた。
湊かなえ作品って、いやーな読後感で終わるのが自虐的で好きなんだけど、こんな気持ちいい終わりかたの作品もよかったです。
cf. 湊かなえ 読破 List
- 告白 (2008)
- Nのために (2010)
- 夜行観覧車 (2010)
- 往復書簡 (2010)
- サファイア (2012)
- 白ゆき姫殺人事件 (2012)
- 物語のおわり (2014)
- 絶唱 (2015)
- リバース (2015)
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