「一分間だけ/原田マハ」を読んだ
ほんと読みまくってる原田マハ。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「一分間だけ」(宝島社文庫)について。
こんなあらすじ。ファッション誌JoJoで働く"藍"は、雑誌の取材で訪れたペットショップでゴールデンリトリーバーの"リラ"と出会う。ショップの店員さんに「今日買わなければ殺処分される」と言われ、藍はリラと恋人のコピーライター"浩介"と3人で暮らすことにしたのだ。しかし、都心から郊外へ引っ越した途端、藍の生活は一変し、仕事が生き甲斐の藍は仕事に忙殺されて、何を愛し何に愛されているかを見失っていく。そして浩介が去り、残されたリラとの生活にも苦痛を感じ始めた頃、藍はリラが癌であると告知を受け、リラと闘病生活をはじめることになる...。
これ、殺処分寸前のゴールデンレトリーバーの仔犬リサと出会い、看取るまでの物語。正直、主人公が生活での感情のもつれをそのままリラにあたったり、でもリラに見つめられると途端に自己を冷静に見れたりと、凄くリアリティを感じた。
自分も犬を飼っていて、毎朝散歩をしていると、わんこ達は石ころや草や他の犬のマーキングやひからびたミミズを一生懸命嗅いでたり、グイグイひっぱたり、ちゃんとついてきてるか振り返ってこっちをみたりしている。また、こっちがなんか緊張したり、焦ったりしたりしてると、それを感じて心配そうにじーっと見ている。で、わんこ達が病気になったり、フードを食べなかったり、下痢したり、散歩を嫌がったりと困ったことや心配ごともある。でもひたすら慕ってくれる純粋無垢な存在には、こっちも無償の愛で応えたくなるし、そんな毎日が続いているのがうれしい。
最期のことを思うと、正直読むのをためらっていた小説だったけど、やっぱり泣けてしまった。リアルで痛く苦しく、強く明るい作品でした。
cf. 原田マハ 読破 List
- カフーを待ちわびて (2006)
- 一分間だけ (2007)
- ランウェイ☆ビート (2008)
- さいはての彼女 (2008)
- キネマの神様 (2008)
- 花々 (2009)
- 翼をください (2009)
- 本日は、お日柄もよく (2010)
- 星がひとつほしいとの祈り (2010)
- まぐだら屋のマリア (2011)
- 永遠をさがしに (2011)
- 楽園のカンヴァス (2012)
- 旅宿おかえり (2012)
- 生きるぼくら (2012)
- いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵 (2013)
- ジヴェルニーの食卓 (2013)
- 総理の夫 First Gentleman (2013)
- 翔ぶ少女 (2014)
- 太陽の棘 (2014)
- 奇跡の人 The Miracle Worker (2014)
- あなたは、誰かの大切な人 (2014)
- 暗幕のゲルニカ (2016)
- デトロイト美術館の奇跡 DIA:A Portrail of Life (2016)
- リーチ先生 (2016)
- 恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
- アノニム (2017)
- たゆたえども沈まず (2017)
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