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Wednesday, September 26, 2018

「きつねのはなし/森見登美彦」を読んだ

Tomihikomorimi_kitsunenohanashi ひさびさに読んでみた森見登美彦。三茶のTsutayaで買って読んでみた「きつねのはなし」(新潮文庫)について。
 これ、京都の古道具屋"芳蓮堂"をめぐる4つの短編集。表題作の「きつねのはなし」はこんなあらすじ。京都の一条寺に店を構える古道具屋"芳蓮堂"。女店主"ナツメ"の謎めいた魅力に惹かれてアルバイトを始めた大学生の"武藤"は、芳蓮堂の"特別なお客様"という"天城"が住む古い屋敷へと通う。細長く薄暗い座敷での面会をくり返す武藤は、天城から「狐のお面を寄こせ」という奇妙な取引を持ちかけられる。ナツメからは、「天城の要求にはどんなに些細なものでも応じてはいけない」と忠告されていたが、ある日武藤は天城に古い狐の面を渡してしまった...。
 これ、表題作「きつねのはなし」と「果実の中の龍」、「魔」、「水神」の4つ話からなる古都を舞台に幽玄な暗がりを描いた短編集。よどんだ京都の闇が静かにゆらぎ、奇矯でまやかしの世界に誘ってくれ、夢の中をさまよっているような気分になる幻想小説。それにしても、京都は碁盤の目のようにわかりやすいはずの通りなのに、いつのまにか路地に迷い込んで、どこか知らないところにたどり着いてしまうような感覚が残った謎めいた小説だった。

cf. 森見登美彦 読破 List
- 太陽の塔 (2003)
- きつねのはなし (2006)
- 新釈 走れメロス 他四篇 (2007)

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