「かがみの孤城/辻村深月」を読んだ
たまーに読んでる辻村深月。ひさびさに世田谷中央図書館で借りて読んでみた「かがみの孤城」(ポプラ社)について。
こんなあらすじ。入学早々にいじめを受け、学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた"安西こころ"の目の前で、ある日突然、部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物だった。そこには狼のお面をつけた少女"オオカミさま"と、"こころ"と似た境遇の7人の子供が集められていた。9時から17時までいることができる時間厳守のその城で、それぞれが胸に秘めた願いを叶えるため、7人の子供達は隠された鍵を探すことに...。
居場所を無くした子供達が集められた鏡の向こうの城で起こった1年間の軌跡を描いたファンタジー小説がこれ。女の子特有のいじめ、弱い人の気持ちを考えない先生、兄弟を無くした子供にのしかかる親の思い、片親となった子供を襲う恐怖など思春期特有の人間関係の難しさや煩わしさがリアルに描かれ、思いや言葉が通じない必至の歯がゆさが伝わってきた。550ページほどの大作で、序盤はちょっと冗長なところはあったけど、それが終盤に怒涛な勢いで伏線が回収されていき、急展開にまとまっていく。しっかし時を超えてつながるくだりはほんとよかった。ひさびさの辻村深月作品だったけど、あらためて未読作品を読み出そうかと思った1冊だった。
cf. 辻村深月 読破 List
- 冷たい校舎の時は止まる (2004)
- 凍りのくじら (2005)
- ぼくのメジャースプーン (2006)
- ロードムービー (2008)
- 太陽の坐る場所 (2008)
- ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (2009)
- 光待つ場所へ (2010)
- ツナグ (2010)
- 本日は大安なり (2011)
- オーダーメイド殺人クラブ (2011)
- 水底フェスタ (2011)
- サクラ咲く (2012)
- 鍵のない夢を見る (2012)
- 島はぼくらと (2013)
- 家族シアター (2014)
- 朝が来る (2015)
- かがみの孤城 (2017)
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