「異邦人(いりびと)/原田マハ」を読んだ
ほんと読みまくってる原田マハ。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「異邦人(いりびと)」(PHP文芸文庫)について。
こんなあらすじ。銀座の老舗画廊"たかむら画廊"の青年専務"篁一輝"と結婚した"有吉美術館"の副館長"菜穂"は出産を控えていた。あの311東日本大震災後、胎児への放射線の影響を懸念した菜穂は、東京を離れ、京都に長逗留していた。妊婦としての生活に鬱々としていた菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗画廊"美のやま画廊"で、一枚の絵に心を奪われる。強い磁力を放つその絵の作者は、まだ無名の若き女性画家だった...。
これ、京都の四季を背景に、才能あふれる若き女性画家をめぐる人々の"業"を描いた小説なんだけど、アート小説でありサスペンスであり京都小説というものだった。若き女性画家が描く作品に魅せられた人々の末路が描かれていくんだけど、最後にはこれまでの復讐を果たし、次に向けて自立を果たすんだけど、その陰に衝撃的で強烈な裏切りがあって、ほんとうに後味が悪い。原田マハのイヤミス小説って初めてだったかもしれない。
cf. 原田マハ 読破 List
- カフーを待ちわびて (2006)
- 一分間だけ (2007)
- ランウェイ☆ビート (2008)
- さいはての彼女 (2008)
- キネマの神様 (2008)
- 花々 (2009)
- 翼をください (2009)
- 本日は、お日柄もよく (2010)
- 星がひとつほしいとの祈り (2010)
- まぐだら屋のマリア (2011)
- 永遠をさがしに (2011)
- 楽園のカンヴァス (2012)
- 旅宿おかえり (2012)
- 生きるぼくら (2012)
- いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵 (2013)
- ジヴェルニーの食卓 (2013)
- 総理の夫 First Gentleman (2013)
- 翔ぶ少女 (2014)
- 太陽の棘 (2014)
- 奇跡の人 The Miracle Worker (2014)
- あなたは、誰かの大切な人 (2014)
- 異邦人(いりびと) (2015)
- モダン (2015)
- 暗幕のゲルニカ (2016)
- デトロイト美術館の奇跡 DIA:A Portrail of Life (2016)
- リーチ先生 (2016)
- 恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
- アノニム (2017)
- たゆたえども沈まず (2017)
- いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画 (2017)
- スイート・ホーム (2018)
- フーテンのマハ (2018)
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