「最後に手にしたいもの/吉田修一」を読んだ
ずーっと読んでる吉田修一。ひさびさに世田谷中央図書館で借りて読んでみたエッセイ集「最後に手にしたいもの」(木楽舎)について。
これ、2012.9~2016.9のANA機内誌「翼の王国」に連載されたもの。旅を中心に吉田修一が体験したり、思ったり、感じたりしたことが肩の力が抜けたたたずまいで書かれている。中国の雄大な一本道はアメリカのルート66みたいな一本道と似てるとか(「中国のルート66」)、国籍を超えた観客の話とか(「台北でマルーン5」)、ほとぼりが冷めた緩さのパタヤのこととか(「ビバ・パタヤ!」)、濃霧に包まれた阿蘇の話とか(「阿蘇、天空の湯」)、ギャンブルに興味ない人のマカオ話とか(「苦手なカジノ」)、所作についての話とか(「型と仕草・伊勢神宮」)、日本っぽい国際都市とはとか(「国際都市?」)、香港で出会った若いカップルのこととか(「香港の底力」)、うちの猫の金ちゃんと銀ちゃんについて思いっきり書いてるとか(「好きだ!」)、青のことから歩き方までの話とか(「青の氾濫・竹富島」)、スイスの山頂で感じた国境の話とか(「標高四〇〇〇Mの国境」)、自分も行ったことがあってカフェなんて行かなかったなぁと思った話とか(「おしゃれプノンペン」)、四国こんぴらさん登頂記とか(「四〇〇万人分の笑顔」)、映画化された「怒り」のこととか(「『怒り』完成」と「『怒り』舞台裏」)とか...。そんな中でも結局楽しんでる人にはかなわないという「楽しんでいる者勝ち」は特に共感できた。
なんかサラッと読めて、前向きなエッセイ。同時発売されたエッセイの「泣きたくなるような青空」も読んでみよう。
cf. 吉田修一 読破 List
- 最後の息子 (1999)
- 熱帯魚 (2001)
- パレード (2002)
- パーク・ライフ (2002)
- 日曜日たち (2003)
- 東京湾景 (2003)
- 長崎乱楽坂 (2004)
- ランドマーク (2004)
- 7月24日通り (2004)
- 春、バーニーズで (2004)
- ひなた (2006)
- 女たちは二度遊ぶ (2006)
- 初恋温泉 (2006)
- うりずん/吉田修一・佐内正史 (2007)
- 悪人 (2007)
- 静かな爆弾 (2008)
- さよなら渓谷 (2008)
- あの空の下で (2008)
- 元職員 (2008)
- キャンセルされた街の案内 (2009)
- 横道世之介 (2009)
- 空の冒険 (2010)
- 平成猿蟹合戦図 (2011)
- 太陽は動かない (2012)
- 路(ルウ) (2012)
- 愛に乱暴 (2013)
- 怒り (2014)
- 森は知っている (2015)
- 作家と一日 (2015)
- 橋を渡る (2016)
- 犯罪小説集 (2016)
- 最後に手にしたいもの (2017)
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