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Wednesday, December 26, 2018

「ガラパゴス/相場英雄」を読んだ

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 たまに読んでる相場英雄。ひさびさに世田谷中央図書館で借りて読んでみた「震える牛」(2012)の次回作「ガラパゴス」(/)(小学館文庫)について。
 こんなあらすじ。警視庁捜査一課継続捜査担当で、メモ魔の"田川信一"は、同期の"木幡祐司"に頼まれ、身元不明相談室を訪れる。そこに所蔵されている死亡者リストに目を通すうち、自殺として処理された案件を他殺と看破する。不明者リスト903の男の発見現場である都内竹の塚の団地を訪れた田川と木幡は、室内の浴槽と受け皿のわずかな隙間から「新城 も」「780816」と書かれたメモを発見する...。
 これ、国際市場で競争力を失い、生き残るために弱者へのしわ寄せを選んだ企業により、切り捨てられる人々を描いた犯罪小説。コスト削減に走り、非正規の人材を部品扱いする大企業と人材派遣会社の欺瞞の結果、過酷な労働環境のなか、出口の見えない無限地獄がこれでもかと描かれていた。そして進化の袋小路に迷い込んだ日本メーカーがガラパゴスとして、取り残されている実態がよくわかった。
 しっかしこの小説、その後田川が法廷でどのようなリベンジを行うのかをほんとに読みたかった。年の終わりによい小説に出会えました。

cf. 相場英雄 読破 List
- 震える牛 (2012)
- 共震 (2013)
- トラップ (2014)
- ガラパゴス (2016)
- トップリーグ (2017)

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