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Thursday, December 13, 2018

「風神の手/道尾秀介」を読んだ

Shusukemichio_fujinnote ほぼすべての作品を完読している道尾秀介。そんな中、世田谷中央図書館で借りて読んだ「風神の手」(朝日新聞出版)について。
 こんなあらすじ。西取川を挟んで上上町と下上町という珍しい名がついた海辺の町、そこでは川漁師が舟の上で松明を揺らし、鮎を驚かせて網に追い込む火振り漁で知られていた。下上町に住む"歩実"と母の"奈津実"は、奈津実の写真を撮るために遺影専門の写真館「鏡影館」に出向く。その写真館に飾ってあった1枚の写真を目にした奈津実は"サキムラ"と言う名を聞き27年前の出来事を思い出す...。
 遺影専門の写真館「鏡影館」を訪れた人々の人生が重なり、つながり、そのめぐり合わせに隠された嘘の顛末をめぐる4つの連作作品がこれ。人は嘘をついたり、他者をおとしいれたりするんだけど、そんな人の弱さが引き起こす出来事が反転しながらつながっていく因果律が描かれている。どことなく不穏な空気が漂う世界観の中、「あのときの子供がこうなったのかと驚きの伏線がつながっていくのがよかった。
 ほんと道尾秀介にしか描けない世界観のミステリーだと思う。

cf. 道尾秀介 読破 List
- 背の眼 (2005)
- 向日葵の咲かない夏 (2005)
- 骸の爪 (2006)
- シャドウ (2006)
- 片眼の猿 -One-eyed monkeys- (2007)
- ソロモンの犬 (2007)
- ラットマン (2008)
- カラスの親指 by rule of CROW'S thumb (2008)
- 鬼の跫音 (2009)
- 龍神の雨 (2009)
- 花と流れ星 (2009)
- 球体の蛇 (2009)
- 光媒の花 (2010)
- 月の恋人-Moon Lovers- (2010)
- 月と蟹 (2010)
- 晴れた日は謎を追って がまくら市事件/伊坂幸太郎・大山誠一郎・伯方雪日・福田栄一・道尾秀介 (2010)
- カササギたちの四季 (2011)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 水の柩 (2011)
- (2012)
- ノエル-a story of stories- (2012)
- 笑うハーレキン (2013)
- 鏡の花 (2013)
- 貘の檻 (2014)
- 緑色のうさぎの話/道尾秀介(作)・半崎信朗(絵) (2014)
- 透明カメレオン (2015)
- スタフ staph (2016)
- サーモン・キャッチャー the Novel (2016)
- 満月の泥枕 (2017)
- 風神の手 (2018)

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