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Thursday, January 03, 2019

2018年を振り返る●Readings編●

 2018年をダラダラ振り返りつづけてる。続いては、2017年も読みまくった"Readings編"を。

 2018年もそれなりに、もろもろ本を読んだと思う。小説、雑誌や漫画や映画パンフ・ガイドブックなどを含めて、なんだかんだで98冊を1年間で読んだ。内訳は小説が72冊、それ以外が26冊。特に小説は2017年よりも8冊多いし、相変わらず世田谷中央図書館にもよく通ったと思う。

 2017年も2016年に続いて積極的に読んでいたのがやっぱり原田マハ。キュレーターとしてのアートに対する造詣の深さに加え、嫌味がない文体に、勇気を与えてくれる話ばかり。そろそろ彼女の未読本も少なくなってきたけど、完読したいと思う。あとはひさびさに相場英雄や樋口毅宏も読んだし、初めて読んだのは高村薫と柴田哲孝あたり。今年はここも責めたいと思う。

 で、rockin'onとROCKIN'ON JAPANを高校生の頃から30年以上読んできたけど、正直ページを漫然と送ってた感じだったので、月々買うのはやめて、読みたい特集のときだけ買うことにした。これは一大決心だった。あとはやっぱり、Star Wars関連本を読んだり、ラーメン本を読んでた感じ。このあたりの嗜好性は変わらないです。

 では、2018年に読んだ本の中で、個人的に特にひっかかった5冊を挙げてみる。

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 まず1冊目は塩田武士の「罪の声」。これ、昭和59年から60年に阪神を舞台に起きた食品会社を標的とした一連の企業脅迫未解決事件「グリコ・森永事件」をモデルにした長編小説。「グリコ・森永事件」では犯行に子供の声が使われ、その子供達を焦点にストーリーが展開されるところが面白い。その家族には時効はないし、その子供が今どのように生きているかにたどり着くまでの紆余曲折と労力がいいし、事件の史実通りに発生日時や場所、挑戦状や脅迫状の文言、報道内容が書かれているため、まるでノンフィクション小説を読んでいるようだった。

 で、2冊目は原田マハの「まぐだら屋のマリア」。この小説、心に傷を追って死に場所を探す人達がマリアや尽果の集落の人々に助けられて、再生していく姿が描かれているんだけど、実は主人公の紫紋もマルコも重い過去を背負っている。そんな中、一番の衝撃はマリアの過去。重たい現実が膿のようにドロドロと流れ出し、凄まじい悲惨な過去だった。それでも逃げ続けてきた苦しい現実にそれぞれが向き直り、もう一度生き直していく勇気と希望を手にしていく。壮絶だったけど救われる物語、原田マハ作品で一線を画す激しい小説だった。

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 続いて3冊目は高村薫の「レディ・ジョーカー」。タイトルだけは知ってて、なんか読んでみたいとずっと思ってたんだけど、3冊で約1,500ページを超える超大作。グリコ森永事件を題材に、被差別部落問題、企業テロ、総会屋への利益供与、仕手筋による株価操作といった問題が浮上し、犯人グループ、日之出ビール、警察、検察、マスコミ、地下金融グループそれぞれが複雑に絡み合いながら物語が進んでいく。結末に向けて、その社会問題・経済犯罪が複数展開するためストーリー構成は重厚だし、主要登場人物も多く、複数の登場人物の視点が切り替わりながら、話が展開していくため、ほんと気が抜けない。ほんと読みごたえがあった。

 で、4冊目は有川浩の「アンマーとぼくら」。主人公がその父親が再婚した母親と過ごす3日間の親孝行を描いたファンタジー。おかあさんと家族になった沖縄で、父親と3人で巡った場所をおかあさんのガイドで辿っていくんだけど、かつて新しい母親に心を開けなかったり、子供のような父親を許せなかったりと1つ1つの子供の頃の思い出が蘇り、おかあさんとの絆がゆったりと深まっていく。そして訪れる先々で懐かしい親子を見かけるんだけど、沖縄という慈悲深い土地が見せてくれる神秘的な奇跡で、これがほんとに泣けてくる。かりゆし58の「アンマ―」がひさしぶりに聴きたくなった。

44 最後の5冊目は相場英雄の「ガラパゴス」。これ、国際市場で競争力を失い、生き残るために弱者へのしわ寄せを選んだ企業により、切り捨てられる人々を描いた犯罪小説。コスト削減に走り、非正規の人材を部品扱いする大企業と人材派遣会社の欺瞞の結果、過酷な労働環境のなか、出口の見えない無限地獄がこれでもかと描かれていた。

 というわけで最後に、2018年に読んだ小説とか雑誌とかを書いてみます。

●Novels
・海辺の生と死/島尾ミホ
・おじいさんは山へ金儲けに -時として、投資は希望を生む-/村上龍
・アキラとあきら/池井戸潤
・クリスマスを探偵と/伊坂幸太郎(文)マヌエーレ・フィオール(絵)
・がらくたノート/桑田佳祐
・旅宿おかえり/原田マハ
・罪の声/塩田武士
・バースデイ・ガール/村上春樹
・劇場/又吉直樹
・トップリーグ/相場英雄
・リバース/湊かなえ
・STAR WARS 99 STORMTROOPERS JOIN THE EMPIRE STAR WARS-99人のストームトルーパー/Greg Stones-グレッグ・ストーンズ
・まぐだら屋のマリア/原田マハ
・晴れた日は謎を追って がまくら市事件/伊坂幸太郎・大山誠一郎・伯方雪日・福田栄一・道尾秀介
・花咲舞が黙ってない/池井戸潤
・クレムリンの迷宮/貴志祐介
・氷菓/米澤穂信
・Rogue One:A Star Wars Story-ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー/John Knoll,Gary Whitta,Chris Weitz,Tony Gilroy(原作),Alexander Freed(著),稲村広香(訳)-ジョン・ノール,ゲイリー・ウィッタ,クリス・ワイツ,トニー・ギルロイ(原作),アレクサンダー・フリード(著)
・アンマーとぼくら/有川浩
・翼をください 上/原田マハ
・翼をください 下/原田マハ
・奇跡の人 The Miracle Worker/原田マハ
・燻り/黒川博行
・キッドナップ・ツアー/角田光代
・ノーマンズランド/誉田哲也
・黒笑小説/東野圭吾
・STAR WARS THE JEDI PHILOSOPHY-スター・ウォーズ ジェダイの哲学 フォースの導きで運命を全うせよ/Jan-Ku Yaha-ジャン=クー・ヤーガ
・億男/川村元気
・キャロリング/有川浩
・レディ・ジョーカー 上/高村薫
・レディ・ジョーカー 中/高村薫
・レディ・ジョーカー 下/高村薫
・物語のおわり/湊かなえ
・EPITAPH東京/恩田陸
・むかし僕が死んだ家/東野圭吾
・一分間だけ/原田マハ
・苦汁200%/尾崎世界観
・たゆたえども沈まず/原田マハ
・太陽がいっぱい/樋口毅宏
・アクシデント・レポート/樋口毅宏
・The Bridge Across Forever-翼にのったソウルメイト/Richard Bach-リチャード・バック,飯田昌夫(訳)
・6万人の患者が改善! 腰痛・肩こり・頭痛を解消 寝るだけ整体/田中宏
・モダン/原田マハ
・日本のセックス/樋口毅宏
・土の中の子供/中村文則
・いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画/原田マハ
・Star Wars:Darth Plagueis-スター・ウォーズ:ダース・プレイガス 上/James Luceno-ジェームズ・ルシーノ
・Star Wars:Darth Plagueis-スター・ウォーズ:ダース・プレイガス 下/James Luceno-ジェームズ・ルシーノ
・スイート・ホーム/原田マハ
・かがみの孤城/辻村深月
・フーテンのマハ/原田マハ
・きつねのはなし/森見登美彦
・ホワイトラビット/伊坂幸太郎
・さようなら、僕のスウィニー/ 大崎善生
・スター・ウォーズ極限研究 サーガ調査報告書/清水秀生
・もう「はい」としか言えない/松尾スズキ
・Homo Delphinus-イルカと、海へ還る日/Jacques Mayol-ジャック・マイヨール,関邦博(訳)
・デンジャラス/桐野夏生
・あの夏、二人のルカ/誉田哲也
・最後に手にしたいもの/吉田修一
・Star Wars:Last Shot-スター・ウォーズ:ラスト・ショット 上/Daniel José Older-ダニエル・ホセ・オールダー
・Star Wars:Last Shot-スター・ウォーズ:ラスト・ショット 下/Daniel José Older-ダニエル・ホセ・オールダー
・泣きたくなるような青空/吉田修一
・ウォーターゲーム/吉田修一
・異邦人(いりびと)/原田マハ
・明日の子供たち/有川浩
・愚者のエンドロール/米澤穂信
・風神の手/道尾秀介
・人魚の眠る家/東野圭吾
・デッドエンド/柴田哲孝
・ガラパゴス 上/相場英雄
・ガラパゴス 下/相場英雄

●Magazines・Comics・Pamphlet
・ROCKIN'ON JAPAN JANUARY 2018
・rockin'on 1 January 2018
・「Star Wars:The Last Jedi/スター・ウォーズ:最後のジェダイ」パンフレット(限定版)
・「Star Wars:The Last Jedi/スター・ウォーズ:最後のジェダイ」パンフレット(通常版)
・ROCKIN'ON JAPAN FEBRUARY 2018
・第18回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2017-2018
・rockin'on 2 February 2018
・進撃の巨人(23)/諫山創
・進撃の巨人(24)/諫山創
・ラーメンぴあ2018 首都圏版
・世田谷線沿線の本
・代官山通信Vol.141
・代官山通信Vol.142
・「Solo:A Star Wars Story/ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」パンフレット(限定版)
・「Solo:A Star Wars Story/ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」パンフレット(通常版)
・代官山通信Vol.143
・ROCKIN'ON JAPAN OCTOBER 2018
・歩くせたがや 21コース
・進撃の巨人(0)/諫山創
・ラーメンぴあ2019 首都圏版
・代官山通信Vol.144
・進撃の巨人(25)/諫山創
・進撃の巨人(26)/諫山創
・「SOUNDS LIKE SHIT:the story of Hi-STANDARD」パンフレット
・ラーメンWalker東京 2019
・第19回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2018-2019

 こんな感じで、今年も世田谷中央図書館やTSUTAYAに通って、2019年も読書しまくって、いろいろ感じたり学んだりできればと思います。

cf.
- 2007年を振り返る●Readings編●
- 2008年を振り返る●Readings編●
- 2009年を振り返る●Readings編●
- 2010年を振り返る●Readings編●
- 2011年を振り返る●Readings編●
- 2012年を振り返る●Readings編●
- 2013年を振り返る●Readings編●
- 2014年を振り返る●Readings編●
- 2015年を振り返る●Readings編●
- 2016年を振り返る●Readings編●
- 2017年を振り返る●Readings編●
- 2018年を振り返る●Readings編●

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