「切断/黒川博行」を読んだ
たまに読んでる黒川博行。三茶Tsutayaで買って読んでみた「切断」(角川文庫)について。
こんなあらすじ。大阪府内の病院で発見された死体は、片耳を切り取られ、別人の小指が耳の穴に差し込まれていた。その小指は死後切断と判明し、連続殺人事件として捜査が始まった。その矢先、舌を切り取られ、前の被害者で切り取られた耳を咥えた死体も見つかった。大阪府警捜査一課は猟奇的な連続殺人として、この犯人を追う...。
猟奇的な連続殺人の真相は追う大阪府警捜査一課を描いた黒川博行の初期の犯罪小説がこれ。切断された指は死体から切り落とされたものという死後切断の判断にもかかわらず、その指がない人間が犯行を続けているとしか思えない状況が面白かったし、犯人が狙う対象者になかなか近づけないのが面白い。結果、ラストに明かされるトリックまでずっと濃密だったし、惨殺シーンとか口汚いヤクザとの対決とか、ハードボイルドでノワールな犯罪小説だった。
cf. 黒川博行 読破 List
- 切断 (1989)
- 封印 (1992)
- 燻り (1998)
- 後妻業 (2014)
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