「リベンジ/柴田哲孝」を読んだ
去年初めて読んでみた柴田哲孝の「デッドエンド」。この第3作「リベンジ」(双葉社)も世田谷中央図書館で借りて読んでみた。
こんなあらすじ。千葉刑務所を脱獄し、亡き妻の復讐と娘"萌子"の誘拐事件を解決してから3年..."笠原武大"は輪島で塗師として修業の日々を送り、萌子は金沢の伯父の家に下宿しながら高校に通っていた。そんな春の夜、何者かが離れて暮らす2人を同時に襲った。笠原は不意を衝かれて囚われの身となるが、萌子は辛くも逃げ延びバイクで南を目指す。一方、警察庁警備局公安課特別捜査室"サクラ"に所属する"田臥"と"室井"は、父娘失踪の報を聞き、萌子誘拐事件の主犯でありながら罪を免れた日本神道連議会の"板倉勘司"の関与を疑っていた。
今作は、もんじゅの秘密に気付いた娘の"萌子"に原子力利権の魔の手が迫るというもの。笠原親娘、公安、政界の利権者、北朝鮮工作員が入り乱れての展開していくんだけど、キモは"萌子"の逃走劇を軸に進んでいく。逃げ切れるかというスリリングさに、彼女をサポートする人々の暖かさがいいバランスだった。その一方、残虐さは正直弱く、ハイライトの京都板倉家での襲撃シーンもちょっと拍子抜けの部分もあった気がする。
ともかくひっかかりだした柴田哲孝。第1作「デッドエンド」とこの第3作「リベンジ」に間にある第2作「クラッシュマン」。まずはこれを読んでみよう。
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