「血の雫/相場英雄」を読んだ
たまに読んでる相場英雄。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「血の雫」(新潮社)について。
こんなあらすじ。東京都内で発生した連続殺人事件。凶器が一致したものの被害者同士に接点がなく、捜査は難航する。警察への批判が高まる中、「ひまわり」と名乗る犯人がネットメディアに犯行声明を出したことにより、インターネットを使った劇場型犯罪へと発展していく...。
かつてネットの炎上で心を壊された刑事が、その悪意を巧みに操る劇場型犯罪で世間を騒がす犯人を追いつめていくという犯罪小説。ネットの匿名制を利用し、真偽も確かめず、罵詈雑言を浴びせ、自己主張し、他人を中傷する人が実際にいて、そんなネット社会に警鐘を鳴らしている。そして、311からいまだに無くならない福島への差別や風評被害を非難している。単なるエンタメ小説かと思ったら、犯人の剥き出しの悪意の裏には福島の悲しみが隠されていて、ほんと重厚な内容だった。そろそろ相場英雄を読み倒そうかと思う今日この頃です。
cf. 相場英雄 読破 List
- 震える牛 (2012)
- 共震 (2013)
- トラップ (2014)
- ガラパゴス (2016)
- トップリーグ (2017)
- 血の雫 (2018)
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