「黄砂の籠城/松岡圭祐」を読んだ
会社の友達Kmt君から借りた本達。今回読んでみたのは松岡圭祐の「黄砂の籠城」(上/下)(講談社文庫)について。
こんなあらすじ。1900年春、砂塵舞う北京では外国人排斥を叫ぶ武装集"義和団"が勢力を増していた。義和団は暴徒化して教会を焼き討ち、外国公使館区域を包囲した。足並みが揃わぬ列強11ヵ国を先導したのは、新任の駐在武官"柴五郎"率いる日本だった。日本は世界の先陣を切って漢人キリスト教徒を義和団から救出したが、義和団と同調した清軍率いる"西太后"は宣戦布告を決断し、公使館区域からの24時間以内退去を通告する。各国列強からの援軍も到着せず、20万人の義和団と清国軍の前に4,000人の外国人とキリスト教徒の命は風前の灯火となる...。
これ、1900年中国で勃発した外国人排斥運動"義和団の乱"を描いた歴史小説。北京の外国公使館区域は義和団の兵士に包囲され、苦境に陥った列強の外交官達を救い、この危機に対処した日本人の姿を描いている。最後まで姿がわからない内通者の存在、キリスト教への中国農民達の憎悪、カトリックとプロテスタントの対立、迫る飢えと武器不足、そして残虐な殺戮シーンなどどんどん引き込まれていった。最近、清朝最後の皇帝溥儀の人生を描いた映画「The Last Emperor/ラストエンペラー」(1987)を観直したばかりだったので、ほんといいタイミングだった。
しっかし、この小説、600ページ越えの長編だったけど、ほんと読みやすくほぼイッキ読んでしまった。いままで、松岡圭祐は「千里眼」の作家というイメージが強く、なんとなく縁がない状態だったけど、この小説はほんと面白かった。他の小説にも手を伸ばしてみようかな。
cf. 松岡圭祐 読破 List
- 黄砂の籠城 (2017)
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