「東京パパ友ラブストーリー/樋口毅宏」を読んだ
個人的にツボな作家のひとり、樋口毅宏。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「東京パパ友ラブストーリー」(講談社)について。
こんなあらすじ。"有馬豪"と"鐘山明人"は、同じ保育園に子どもを預けていた。"豪"はファンドマネージメント会社の社長で多忙を極めていて、毎朝娘の亜梨を保育園に送っていくだけ。"明人"は妻の"美砂"が多忙なタレント議員で、育児と家事全般を請け負っていた。お互いに顔見知り程度だったが、ある日、明人はLINEで豪を「お互いイクメンとして妻の悪口を言い合おうよ」と飲みに誘う。その晩、ゲイ不倫という地獄の釜の蓋が開いたのだった...。
これ、同じ保育園に子どもを通わせるパパ友同士が恋に落ちるというBL、W不倫なドロドロのラブストーリー。イクメン、ミソジニー、ワンオペ育児、女性のガラスの天井などの社会風刺やリアルな時事ネタを絡ませて話は進んでいくんだけど、後半の修羅場はほんと凄さまじかった。ほほえましい表紙絵やタイトルで、軽い気持ちで読み始めた人には衝撃で不快なんだろうと思う。で、ドロドロなんだけど、ラストはさわやかなラブストーリー風で終わるという、不思議な読後感。やっぱり樋口毅宏はすごかった。
cf. 樋口毅宏 読破 List
- さらば雑司ヶ谷 (2009)
- 日本のセックス (2010)
- 民宿雪国 (2010)
- 雑司ヶ谷R.I.P. (2011)
- テロルのすべて (2011)
- 二十五の瞳 (2012)
- ルック・バック・イン・アンガー (2012)
- タモリ論 (2013)
- 甘い復讐 (2014)
- 愛される資格 (2014)
- ドルフィン・ソングを救え! (2015)
- さよなら小沢健二-1994-2015 樋口毅宏サブカルコラム全集- (2015)
- 太陽がいっぱい (2016)
- アクシデント・レポート (2017)
- 東京パパ友ラブストーリー (2019)
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