« 「Boom for Real:The Late Teenage Years of Jean-Michel Basquiat/バスキア、10代最後のとき」を観た | Main | 駒の湯@三軒茶屋 #7 »

Thursday, January 09, 2020

「逃亡小説集/吉田修一」を読んだ

Shuichiyoshida_toboshosetsushu ずーっと読んでる吉田修一。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「逃亡小説集」(KADOKAWA)について。
 「犯罪小説集」(2016)に続くシリーズ第2弾がこれ。今回は「逃げる」をテーマとした4つの短編小説が入ってる。それぞれこんなあらすじ。
 ・「逃げろ九州男児」:
 年老いた母と暮らす中年男が、生活保護を申請した帰りに一方通行違反で捕まった時、自分の中でついに何かがあふれてしまった。男はそのまま警察を振り切り、逃走を始める...。
 ・「逃げろ純愛」:
 道ならぬ恋の果てに、沖縄へと旅立った教師と元教え子。そんなふたりが残した交換日記...。
 ・「逃げろお嬢さん」:
 山の奥で小さな山荘を経営する中年男は、かつて自身も熱烈なファンであった元アイドルと遭遇する。一世を風靡しながら、転落した彼女は逃走中だった...。
 ・「逃げろミスター・ポストマン」:
 極北の地で、配達中に突如消息を絶った郵便配達員。彼を探す元叔父達の話...。

 逃げろ、この世界のすべてから...。どの話も大それた犯罪を犯して自らの意思で追っ手から逃げるというよりも、気がつけば逃げていたという話ばかり。それでも必死になって逃げている。そしてたどり着くのが、もうすぐ本州という高速道路、コバルトブルーに白い砂浜が美しい沖縄、渓流沿いの露天風呂がある小さな宿に、流氷に閉ざされる網走...。そんな設定もよかった。ちなみにこのシリーズは3部作ということで、次のテーマは「恋愛」らしい。これも楽しみ。

cf. 吉田修一 読破 List
- 最後の息子 (1999)
- 熱帯魚 (2001)
- パレード (2002)
- パーク・ライフ (2002)
- 日曜日たち (2003)
- 東京湾景 (2003)
- 長崎乱楽坂 (2004)
- ランドマーク (2004)
- 7月24日通り (2004)
- 春、バーニーズで (2004)
- ひなた (2006)
- 女たちは二度遊ぶ (2006)
- 初恋温泉 (2006)
- うりずん/吉田修一・佐内正史 (2007)
- 悪人 (2007)
- 静かな爆弾 (2008)
- さよなら渓谷 (2008)
- あの空の下で (2008)
- 元職員 (2008)
- キャンセルされた街の案内 (2009)
- 横道世之介 (2009)
- 空の冒険 (2010)
- 平成猿蟹合戦図 (2011)
- 太陽は動かない (2012)
- 路(ルウ) (2012)
- 愛に乱暴 (2013)
- 怒り (2014)
- 森は知っている (2015)
- 作家と一日 (2015)
- 橋を渡る (2016)
- 犯罪小説集 (2016)
- 最後に手にしたいもの (2017)
- 泣きたくなるような青空 (2017)
- ウォーターゲーム (2018)
- 国宝 上 青春篇 (2018)
- 国宝 下 花道篇 (2018)
- 続 横道世之介 (2019)

- 逃亡小説集 (2019)

|

« 「Boom for Real:The Late Teenage Years of Jean-Michel Basquiat/バスキア、10代最後のとき」を観た | Main | 駒の湯@三軒茶屋 #7 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事