« 「カメラを止めるな! スピンオフ ハリウッド大作戦/One Cut of The Dead in Hollywood」を観た | Main | 「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2019 ダイジェスト」(WOWOW)を観た »

Tuesday, January 21, 2020

「シーソーモンスター/伊坂幸太郎」を読んだ

Kotaroisaka_seesawmonster ほぼ全部読んでる伊坂幸太郎。世田谷中央図書館でやっと借りれた「シーソーモンスター」(中央公論新社)について。
 時空を超えた2つの物語、それぞれこんなあらすじ。
 ●「シーソーモンスター」:
 バブルに沸く昭和後期が舞台。製薬会社に勤めている"北山直人"は、妻の"宮子"と母の"せつ"の3人で暮らしていたが、妻と母の嫁姑問題に頭と悩ませていた。ある日、宮子はせつの過去の行動に疑問を抱くようになり、せつの身の回りや周辺を調べて始める。直人と結婚する前にしていた仕事柄、細かな点や疑問が気になってしまう宮子だったが、これをきっかけに宮子は大きな事件に巻き込まれていく...。
 ●「スピンモンスター」:
 2050年の近未来が舞台。ある日、依頼人からのメッセージを配達するために新幹線に乗車していた"水戸直正"は、デジタル社会の監視を嫌う依頼人のために、手書きのメッセージを人力で運ぶ配達人だった。直正は座席の隣に座っていた眼鏡の男に「あとでこれをで読んでください」と封筒を渡される。しかしこの封筒が後に大きな争いの火種になるとは、直正は知る由もなかった...。
 これ、バブルの昭和後期に起きた平凡な家庭を襲った危機から、その30年後の2050年に一人の手紙配達人を巻き込んだ危機へと、時空を超えて、出会ってはいけない2人が出会ったときに起きた危機を描いた2つの物語。いずれも「人と人との対立」をいう共通点をもっている。で、これはひさしぶりに伊坂幸太郎らしい作品で、海族VS山族の2人が考え出したちょうどよい距離と関係(「シーソーモンスター」)とか、「ぶつかり合わなければ何も起きない、何も変化しない。衝突が変化を起こして新しいものを生み出す。」というものの見かた(「スピンモンスター」)とか、いい感じで共感できることをこねくりまわしている。なかなか面白かったです。

cf. 伊坂幸太郎 読破 List
- オーデュボンの祈り (2000)
- ラッシュライフ (2002)
- 陽気なギャングが地球を回す (2003)
- 重力ピエロ (2003)
- アヒルと鴨のコインロッカー (2003)
- チルドレン (2004)
- グラスホッパー (2004)
- 死神の精度 (2005)
- I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005)
- 魔王 (2005)
- 魔王(文庫) (2005)
- 砂漠 (2005)
- 終末のフール (2006)
- 陽気なギャングの日常と襲撃 (2006)
- フィッシュストーリー (2007)
- 絆のはなし/伊坂幸太郎x斉藤和義 (2007)
- ゴールデンスランバー (2007)
- 実験4号 -後藤を待ちながら (2008)
- Re-born はじまりの一歩/伊坂幸太郎・瀬尾まいこ・豊島ミホ・中島京子・平山瑞穂・福田栄一・宮下奈都 (2008)
- モダンタイムス (2008)
- あるキング (2009)
- 晴れた日は謎を追って がまくら市事件/伊坂幸太郎・大山誠一郎・伯方雪日・福田栄一・道尾秀介 (2010)
- あるキング-完全版- (2015)
- SOSの猿 (2009)
- オー!ファーザー (2010)
- バイバイ、ブラックバード (2010)
- 『バイバイ、ブラックバード』をより楽しむために ポスタル・ノベル編 (2010)
- マリアビートル (2010)
- 文藝別冊 総特集 伊坂幸太郎 (2010)
- 3652-伊坂幸太郎エッセイ集- (2010)
- 仙台ぐらし (2012)
- PK (2012)
- Happy Box/伊坂幸太郎・山本幸久・中山智幸・真梨幸子・小路幸也 (2012)
- あの日、君と Boys/ナツイチ制作委員会(編)・伊坂幸太郎(著)・井上荒野(著)・奥田英朗(著)・佐川光晴(著)・中村航(著)・西加奈子(著)・柳広司(著)・山本幸久(著) (2012)
- 夜の国のクーパー (2012)
- しあわせなミステリー/伊坂幸太郎・中山七里・柚月裕子・吉川英梨 (2012)
- 最後の恋 MEN'S -つまり、自分史上最高の恋。-/朝井リョウ・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・越谷オサム・白石一文・橋本紡 (2012)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 残り全部バケーション (2012)
- ガソリン生活 (2013)
- 死神の浮力 (2013)
- 首折り男のための協奏曲 (2014)
- Wonderful Story/伊坂幸犬郎・犬崎梢・木下半犬・横関犬・貫井ドッグ郎 (2014)
- アイネクライネナハトムジーク (2014)
- キャプテンサンダーボルト/阿部和重・伊坂幸太郎 (2014)
- 火星に住むつもりかい? (2015)
- ジャイロスコープ (2015)
- 陽気なギャングは三つ数えろ (2015)
- サブマリン (2016)
- AX アックス (2017)
- ホワイトラビット (2017)
- クリスマスを探偵と/伊坂幸太郎(文)マヌエーレ・フィオール(絵) (2017)
- フーガはユーガ (2018)
- シーソーモンスター (2019)

|

« 「カメラを止めるな! スピンオフ ハリウッド大作戦/One Cut of The Dead in Hollywood」を観た | Main | 「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2019 ダイジェスト」(WOWOW)を観た »

書籍・雑誌」カテゴリの記事