「Fahrenheit 11/9/華氏119」を観た
以前観たことがあるMichael Moore監督の「Fahrenheit 9/11/華氏911」(2004)。あれから14年後に公開され、トランプ大統領を題材にしたドキュメンタリー映画「Fahrenheit 11/9/華氏119」(2018/Cinema)について。
こんなあらすじ。2016/11/7、第45代アメリカ大統領選の投票日前夜、人々は民主党の女性候補H・クリントンの勝利を確信していた。しかし、その2日後、世間の大方の予想を覆して選挙戦を制し、勝利宣言をしたのは共和党候補のD・トランプだった。数々のドキュメンタリー作品で自ら取材を行ってきたMichael Moore監督は、地元ミシガン州で起きていた不祥事などを実例に挙げながら、トランプを当選させたアメリカ社会の問題に迫る...。
2004年に公開されたジョージ・W・ブッシュ政権を批判した映画「華氏911」にちなみ、この映画のタイトルの「華氏119」ではトランプが、第45代大統領が当選を確実とし勝利宣言をした"2016年11月9日"を意味している。しかしこの作品では、過去の不適切な行為や発言とか、ヒトラーの演説映像とトランプを重ね合わせる手法、娘との不健全な関係など、トランプ自身に対する批判で終わっていない。むしろ、ミシガン州フリントの水汚染問題とオバマ元大統領の偽善パフォーマンス、学校内テロで友達を亡くし、銃規制の重要性を訴えるために決起したティーンエイジャー達、低賃金や過重労働に喘ぐ教師達の草の根キャンペーン、虐げられた女性達の解放を目指し立ち上がった新人女性候補者達など、トランプを当選させたアメリカ社会に対し鋭く切り込んだ作品になっている。
アメリカの病巣を鋭くえぐりながら、それでも未来へ向けての再生を求めるMichael Moore監督。一見胡散臭いところがあるけど、監督の心意気はそのドキュメンタリー作品からちゃんと伝わってくると思う。
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