「あなたが消えた夜に/中村文則」を読んだ
「教団X」(2014)、「土の中の子供」(2005)に続き、Tsutaya馬事公苑で買って読んでみた中村文則の「あなたが消えた夜に」(毎日文庫)について。
こんなあらすじ。都内のとある町で突如連続通り魔殺人事件が発生した。所轄の刑事である"中島"と捜査一課の女刑の"小橋"は、「コートの男」を追う。幼少期の頃に起きた火事のトラウマを抱えている中島と、女子ながら性格が屈折した変わり者の小橋、2人はこの連続殺人事件の謎に迫っていく...。
これ、連続通り魔殺人事件、本庁と所轄の軋轢、殺人する者と殺される者の大量な登場人物、その1つ1つが非常に細密なディテールで描かれていくんだけど、この細かさがハンパない。で、その膨大なストーリーの中で、一貫して描かれているテーマは、「人間の心の闇とは何か」ということ。すべての人物はなんかしらの心の闇やトラウマを抱えていて、それを払しょくするためにそれぞれが異常行動を引き起こしていき、最後は悲劇の殺人連鎖になっていく。いやー、読み応えある強烈な1冊だった。
cf. 中村文則 読破 List
- 土の中の子供 (2005)
- 教団X (2014)
- あなたが消えた夜に (2015)
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