「銭湯空間/今井健太郎」を読んだ
湯活活動がままならないけれど、せめてこれくらいと読んでみた「銭湯空間/今井健太郎」(KADOKAWA)について。
古くて昭和でレトロな宮作りの銭湯もいいけれど、たまに行きたくなる「デザイナーズ銭湯」。そんな銭湯の多くを手がけてきた銭湯建築士・今井健太郎さんが出したのがこの本。ここで16の銭湯が取り上げられているけど、自分も行ったことがある銭湯が結構載ってる。ちょっとつづコメントすると...
・改良湯(渋谷区):
恵比寿様のもう一つの姿を現したクジラを壁画と、浴場にあるGravityFreeの壁画。さらに照明と水面の揺らぎが気持ちいいキンキンに冷えた水風呂がよかった。
・大平湯(足立区):
白を基調とした浴場に黒の半円型の内風呂に、青い照明。そしてシルキー湯な露天風呂で何度も外気浴した。今井健太郎さんが初めて手がけた銭湯ということでもう一度行きたくなった。
・光明泉(目黒区):
和モダンな雰囲気な中、外気浴するにはぴったりの寒さだった露天風呂。ぬるめだけどじっくり汗をかく炭酸泉も極楽で、人が少ない平日の夕方に行きたい銭湯。
・万年湯(新宿区):
木を多く使った和モダンの内装で、格子越しの明かりや鶴のタイル絵もいい感じだった。しっかし猥雑な新大久保コリアタウンにこんな湯があるとは。
・はすぬま温泉(大田区):
雄大な松と崖と滝のタイル絵から浴槽に流れ込む天然温泉、ぬるめの炭酸温泉、女湯と仕切る板壁の描かれたGravityFreeさんの季節感と旅情感満載の絵。そしてフロント近くのロビー床に仕掛けられた鯉のデジタル映像。すっごいこだわりだった。
・ふくの湯(文京区):
木にあふれた華やかな外観、Popな弁天様の壁絵(GravityFree作)と中嶋画伯が描いた赤富士と鷹のペンキ絵、じっこうの漢方風呂のジェット湯と楕円形のひとり壺湯、こじんまりだけど縁起がよさげな銭湯だった。
・文化浴泉(目黒区):
ナノバブル粒子のnano湯につかり、まーるい中嶋絵師の赤富士山ペンキ絵をぼーっと見ながら、完全に弛緩できる場所。自分が初めて行ったデザイナーズ銭湯がここだったかもしれない。
・千代の湯(目黒区):
入口の暖簾、懐かしの靴入れ、木のロッカーがズラッと並んだ脱衣所、中嶋絵師の迫力あるペンキ絵、そしてずっと入っていられる炭酸泉。ここも今井健太郎さん作だったとは。
・戸越銀座温泉(品川区):
軟水の炭酸泉、黒湯の露天風呂、冷えた水風呂、GravityFree作の七福神が乗った宝船のペンキ絵...初めて後輩I君に連れてきてもらったとき、自分の中で銭湯の概念が変わった瞬間だった。
こんな銭湯を思い出しながらこの本を読むと、懐かしくて新しい空間が、どんなアイデアのもとに生まれるのか、どんな仕掛けがあって、店主はどんな思いでリニューアルしたのかがよく伝わってきた。いやー銭湯愛と銭湯の可能性を見せてくれた良書だった。
最後にいつか絶対行く銭湯はこれ。
・松の湯(八王子)
・第一金乗湯(上板橋)
・大蔵湯(町田)
・クアパレス藤(板橋・千川)
・栄湯(新宿・落合南長崎)
・イーストランド(江戸川・西篠崎)
・御谷湯(墨田区)
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