「不発弾/相場英雄」を読んだ
たまに読んでる相場英雄。桜新町TSUTAYAで買って読んでみた「不発弾」(新潮文庫)について。
こんなあらすじ。大手電機企業"三田電機産業"が巨額の「不適切会計」を発表した。警視庁捜査二課の"小堀"は、背後に一人の金融コンサルタントの存在をつかむ。その男の名は"古賀遼"といい、福岡県大牟田市生まれの古賀は貧しい炭鉱街の暮らしから妹を救うため、体力頼みの場立ち要員として証券会社に就職した...。
これ、狂乱のバブル時代を己の復讐心と才覚でのし上がった男が仕掛けてきた大企業の粉飾決算と、それを暴く警視庁捜査二課の男を描いた経済サスペンス。東芝の「不適切会計問題」に着想を得て、粉飾決算の裏側を描いているんだけど、為替、ファンド、株式含み損の飛ばし、財テク、にぎり(利回り保証)、仕組債と金融商品の話は、ちょっと難しかった。それでも、場面を現在とバブル期に切り替えながら、金融の世界の底知れない恐ろしさや、欲に溺れた人々が人間臭くて、ほんと読み応えがあった。いやー重厚。
cf. 相場英雄 読破 List
- 震える牛 (2012)
- 共震 (2013)
- トラップ (2014)
- ガラパゴス (2016)
- 不発弾 (2017)
- トップリーグ (2017)
- 血の雫 (2018)
- キッド (2019)
- トップリーグ2 アフターアワーズ (2019)
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