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Wednesday, July 29, 2020

「サロメ/原田マハ」を読んだ

Mahaharada_salome ちょいちょい読んでる原田マハ。世田谷区中央図書館で借りて読んでみた「サロメ」(文春文庫)について。
 こんなあらすじ。19席末のロンドン、保険会社に勤める病弱な青年オーブリー・ビアズリーは18歳のときに本格的に絵を描き始め、美貌とスキャンダルで時代の寵児となった作家オスカー・ワイルドに見いだされる。そしてビアズリーは、ワイルドが書いたセンセーショナルな戯曲「サロメ」の挿絵を描くことになる...。
 これ、19世紀末のロンドンを舞台に、時代の寵児 作家オスカー・ワイルドと、イギリス画壇に彗星のごとく現れた夭折の天才画家ビアズリーの愛憎を描いた史実ベースの小説。戯曲「サロメ」をめぐり、ビアズリーの姉で女優のメイベル、男色家でもあったワイルドとその恋人のアルフレッド・ダグラスが絡み、ドロドロで濃厚な四つどもえの愛憎関係が描かれている。しっかしこの姉メイベルが欲まみれで、女優としてスポットライトを浴びたい欲と、弟ビアズリーをワイルドに渡すものかという欲のあまり、恐ろしい怪物になっていくのが凄いし、文庫本にはさまれる真っ黒なページが地獄の舞台転換のようで面白かった。
 いやー、どこか優しくて、美術愛する原田マハの世界を広げた1冊だと思う。

cf. 原田マハ 読破 List
- カフーを待ちわびて (2006)
- 一分間だけ (2007)
- ランウェイ☆ビート (2008)
- さいはての彼女 (2008)
- キネマの神様 (2008)
- 花々 (2009)
- 翼をください (2009)
- 本日は、お日柄もよく (2010)
- 星がひとつほしいとの祈り (2010)
- 風のマジム (2010)
-
まぐだら屋のマリア (2011)
- 永遠をさがしに (2011)
- いと-運命の子犬-/原田マハ(文)・秋元良平(写真) (2011)
- 小説 星守る犬/原田マハ(著)・村上たかし(原作) (2011)
- 楽園のカンヴァス (2012)
- 旅宿おかえり (2012)
- 生きるぼくら (2012)
- いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵(2013)
- ジヴェルニーの食卓 (2013)
- 総理の夫 First Gentleman (2013)
- 翔ぶ少女 (2014)
- 太陽の棘 (2014)
- 奇跡の人 The Miracle Worker (2014)
- あなたは、誰かの大切な人 (2014)
- 異邦人(いりびと) (2015)
- モダン (2015)
- ロマンシエ (2015)
-
暗幕のゲルニカ (2016)
- デトロイト美術館の奇跡 DIA:A Portrail of Life (2016)
- リーチ先生 (2016)
- 恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
- サロメ (2017)
アノニム (2017)
- たゆたえども沈まず (2017)
- いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画 (2017)
- スイート・ホーム (2018)
- フーテンのマハ (2018)
- 常設展示室 Permanent Collection (2018)

- 美しき愚かものたちのタブロー (2019)

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