「任侠浴場/今野敏」を読んだ
今まで読んだことがなかった今野敏。銭湯好きのかたに教えてもらった「任侠浴場」(中央公論新社)、世田谷中央図書館で借りて読んでみた。
こんなあらすじ。困った人を放っておけない性分で、とても任侠道に篤く文化事業好きという一風変わったヤクザの親分"阿岐本"。そんな阿岐本親分の元に、赤坂の路地裏にある潰れかけた銭湯の再建話が持ち込まれた。銭湯の経営者も最初は辞めるつもりだったが、もう一度頑張って銭湯を続けたいと言っている。そんな経営者の心意気を買った阿岐本は、銭湯の再建に乗り出す...。
これ、困った人をほっとけないヤクザの親分が組員を振り回しながら、銭湯立て直しに向かうという任侠だけどあったかい物語。日本の文化の一つである町の銭湯の生き残りをテーマにしているんだけど、これがほんと爽やか。銭湯を守る家族のありかたから、せちがない世の中になったのは休んでんだか働いてんだがわからない現代人に「メリハリをつけて休む時は休め」と教えてくれる。さらに日本に3人しかいないペンキ絵師のこと、公共の面での補助金体制から気持ちいい足ふきマットまで、大好きな銭湯業界を教えてくれる。いやー銭湯好きにはたまらない1冊だった。
cf. 今野敏 読破 List
- 任侠浴場 (2018)
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