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Wednesday, January 20, 2021

「首都感染/高嶋哲夫」を読んだ

Tetsuotakashima_shutokansen 世田谷中央図書館で借りて読んでみた高嶋哲夫の「首都感染」(講談社文庫)について。
 こんなあらすじ。20xx年、中国でサッカー・ワールドカップが開催されたが、そのスタジアムのある北京から遠く離れた雲南省で致死率60%の強毒性インフルエンザが出現した。ひた隠しにしていた中国当局の封じ込めも破綻し、恐怖のウイルスが世界へ、そして日本へと向かっていく。空港での検疫が破られ都内にも、ついに患者が発生してしまう。「感染者の移動を禁止しなければパンデミックは阻止できない」と総理は"東京封鎖"を決断した...。
 いまから10年前の2010年に刊行されたこの本、このコロナ禍の中で「予言の書」と言われている。作者高嶋哲夫のこの本についてのインタビューも読んだけど、「不要不急」「感染爆発」「濃厚接触」「接触感染」「飛沫感染」「PCR検査」などといった、まさに今ひんぱんに使われている言葉が出てきて、当時あまり始まっていなかった「テレワーク」「自粛警察」は無かったけど、現実とリンクするところがあまりに多くあって驚いたしまった。
 武漢で発生した新型コロナウィルスから、武漢の都市封鎖、ダイヤモンドプリンセス号、マスク不足やトイレットペーパーの買い占め、全小中高校休校、春夏の甲子園大会の中止、三密「密閉・密室・密接」を避けて行動するようとの国民要請、ソーシャルディスタンス、マスクやゴム手袋、フェイスシールドなどの感染予防品不足、オリンピックの延期、そして緊急事態宣言...。ノンフィクション作品のようだった。遅れた分だけ被害が拡大しするという初動の重要性、時間との勝負、ほんと実感しました。
 
cf. 高嶋哲夫 読破 List
- 首都感染 (2010)
富士山噴火 (2015)
日本核武装 (2016)
紅い砂 The Wall (2020)
バクテリア・ハザード (2020) * ペトロバグ(2007 改題/再編集)

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