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Thursday, February 25, 2021

「ハグとナガラ/原田マハ」を読んだ

Mahaharada_hagutonagara ちょいちょい読んでる原田マハ。世田谷区中央図書館で借りて読んでみた「ハグとナガラ」(文春文庫)について。
 「どこでもいい。いつでもいい。一緒に行こう。旅に出よう。人生を、もっと足掻こうー。」。そんなメールに旅を始めたハグとナガラの6つの物語。それぞれこんなあらすじ。
 ●「旅をあきらめた友と、その母への手紙」:(「さいはての彼女」より)
 いつも親友"ナガラ"との2人旅を楽しんできたフリーランスの広告ディレクター"ハグ"が、伊豆修善寺の温泉へと初めての一人旅に出る...。
 ●「寄り道」:(「星がひとつほしいとの祈り」より)
 アラフォーの独身、いつも旅する時は晴れるハグとナガラは、青森のねぶたと秋田の竿灯を見に男鹿半島へ来ていた。そして白神山地行きのツアーに参加したところ、黒いミニスカスーツとハイヒール姿の若い女性がいた...。
 ●「波打ち際のふたり」:(「あなたは、誰かの大切な人」より)
 お互い忙しすぎて間が空いてしまうこともあったけど、ハグは学時代の同級生ナガラとは年に4回くらい旅をしている。今回ハグの生まれ故郷近くの赤穂温泉を選んだのには訳があった...。
 ●「笑う家」:
 ハグは東京での生活を引き上げて、実家で母親と同居を始めるが、認知症が進んでいる母親の世話のため、思うように仕事ができずにいた...。
 ●「遠く近く」:
 実家で仕事と介護に奮闘していたハグだったが、母親が転倒して入院したことをきっかけに、ケアホームに入居させることを決める。
 ●「あおぞら」:
 一人旅にいくというナガラのひと言を機に、ハグはひどいメールをうってしまい、2人は気まずいことに。ナガラの一人旅には理由があった...。
 
 温泉にに入り、地の名物を食べ、人と触れ合うという気まま女二人旅をしてきたけど、彼女たちも人生の折り返し点を迎え、仕事や親の介護などで悩みを抱えていく。それでも思い描いていた通りには行かなかった今を受け入れつつ、今あることに精一杯やっている彼女たちの姿に好感が持てます。しっかしほどよい距離感がよい短編集だった。
 
cf. 原田マハ 読破 List
カフーを待ちわびて (2006)
一分間だけ (2007)
ランウェイ☆ビート (2008)
さいはての彼女 (2008)
キネマの神様 (2008)
花々 (2009)
翼をください (2009)
本日は、お日柄もよく (2010)
星がひとつほしいとの祈り (2010)
風のマジム (2010)
まぐだら屋のマリア (2011)
永遠をさがしに (2011)
いと-運命の子犬-/原田マハ(文)・秋元良平(写真) (2011)
小説 星守る犬/原田マハ(著)・村上たかし(原作) (2011)
楽園のカンヴァス (2012)
旅宿おかえり (2012)
生きるぼくら (2012)
いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵(2013)
ジヴェルニーの食卓 (2013)
総理の夫 First Gentleman (2013)
翔ぶ少女 (2014)
太陽の棘 (2014)
奇跡の人 The Miracle Worker (2014)
あなたは、誰かの大切な人 (2014)
異邦人(いりびと) (2015)
モダン (2015)
ロマンシエ (2015)
暗幕のゲルニカ (2016)
デトロイト美術館の奇跡 DIA:A Portrail of Life (2016)
リーチ先生 (2016)
恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
サロメ (2017)
アノニム (2017)
たゆたえども沈まず (2017)
いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画 (2017)
スイート・ホーム (2018)
フーテンのマハ (2018)
常設展示室 Permanent Collection (2018)
美しき愚かものたちのタブロー (2019)
風神雷神 Juppiter,Aeolus (2019)
- ハグとナガラ (2020)

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