« 「[ALEXANDROS] MUSIC VIDEO SPECIAL」(SPACE SHOWER TV)を観た | Main | 弦巻 #48 & ボロ市通り #63 »

Wednesday, July 28, 2021

「コロナと潜水服/奥田英朗」を読んだ

Hideookuda_coronatosensuifuku 最近ご無沙汰の奥田英朗、ひさしぶりに世田谷中央図書館で借りた「コロナと潜水服」(光文社)について。
 これ、5つの短編集。それぞれこんなあらすじ。
 ●「海の家」:
 小説家"村上浩二"は妻の不倫に嫌気がさし、一時的に家を出ることになり、避難先に選んだのは取り壊しが決まっている葉山の古民家だった。その家で生活を満喫するうち、誰もいないはずの部屋から子供の足音が聞こえてくる...。
 ●「ファイトクラブ」:
 家電メーカーに勤める"邦彦"は早期退職の勧告に応じず「追い出し部屋」へ追いやられて、工場の警備員の仕事をすることになった。暇な時間に仲間らとボクシングの真似事をしていたところ、嘱託社員だという男が現れ指導をしてくれることに...。
 ●「占い師」:
 人気プロ野球選手と付き合っているフリー女性アナウンサー"麻衣子"はプロポーズの言葉を待っているが、なかなかそうはならない。そんな中、恋愛相談に訪れたのは紹介された占い師だった...。
 ●「コロナと潜水服」:
 会社員の"康彦"は、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務になり、5歳の息子と毎日過ごしていた。そんな息子にはコロナウイルスが感知できるという不思議な力を持っていることに気づいた...。
 ●「パンダに乗って」:
 "直樹"は自分へのご褒美として若い頃から憧れていた初代フィアット・パンダの購入を決意した。都内からパンダの販売店がある新潟へと出向き、パンダに乗って自宅へ戻ろうとする直樹だったが、カーナビの案内に従うと奇妙な場所へとたどり着いてしまう...。
 
 この5つの話、どの主人公達も非日常的で不思議な体験を通して、心の変化を迎えていくんだけど、読んでるこっちまでその温かさが伝わってくるのがいい。で、特によかったのは最後の「パンダに乗って」。いやーじんわり泣けてしまった。シリアスな作品もいいけど、奥田英朗のファンタジック作品もやっぱりよかった。
 
cf. 奥田英朗 読破 List
B型陳情団 (1990)
ウランバーナの森 (1997)
最悪 (1999)
邪魔 (2001)
東京物語 (2001)
イン・ザ・プール (2002)
延長戦に入りました (2002)
マドンナ (2002)
真夜中のマーチ (2003)
空中ブランコ (2004)
サウスバウンド (2005)
ララピポ (2005)
ガール (2006)
町長選挙 (2006)
家日和 (2007)
オリンピックの身代金 (2008)
用もないのに (2009)
無理 (2009)
聖なる夜に君は/奥田英朗・角田光代・大崎善生・島本理生・盛田隆二・蓮見圭一(2009)
純平、考え直せ (2011)
我が家の問題 (2011)
あの日、君と Boys/ナツイチ制作委員会(編)・伊坂幸太郎(著)・井上荒野(著)・奥田英朗(著)・佐川光晴(著)・中村航(著)・西加奈子(著)・柳広司(著)・山本幸久(著) (2012)
短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
噂の女 (2012)
沈黙の町で (2013)
田舎でロックンロール (2014)
ナオミとカナコ (2014)
我が家のヒミツ (2015)
向田理髪店 (2016)
ヴァラエティ (2016)
恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
罪の轍 (2019)
- コロナと潜水服 (2020)

|

« 「[ALEXANDROS] MUSIC VIDEO SPECIAL」(SPACE SHOWER TV)を観た | Main | 弦巻 #48 & ボロ市通り #63 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事