「カード師/中村文則」を読んだ
こんなあらすじ。自分は占いを信じていない占い師であり、違法カジノのポーカーゲームのディーラーだった。そんな自分に冷酷な資産家の顧問占い師となるという指令がある組織から舞い込んだ。その男から「近い未来の何かを当ててくれ」と要求される...。
カードの世界、手品の世界、タロットの世界...そこでは占いに一喜一憂し、全財産を失い人生を狂わされ、カードに意味を見出そうとしていく。そんな人智を超え、人間が抗えない世界が描かれているんだけど、極限状況のポーカーゲームの描写も、神戸地震や東北震災の悲劇も、コロナ禍へもつながるんだけど、そこにはちょっと希望がある。とあるインタビューで中村文則は、「先のことがわかれば悲劇を避けることができる。けれども、それはわからないから、絶望もできない。同じことだけれど、意味がまったく反転する。世の中が悪化しても、絶望するにはまだ早いんです」と答えているけど、まさにそういうことなんだと思った1冊。読み応えありました。
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