「真相/横山秀夫」を読んだ
それぞれこんなあらすじ。
●「真相」:
何者かに殺害された息子を持つ父親"篠田佳男"のところに犯人逮捕の知らせが警察から入った。10年前の事件がやっと解決し、安堵した篠田だったが、捕まった容疑者は事件当日の息子の行動について思いもよらぬ供述をした...。
●「18番ホール」:
県庁に勤めていた"樫村浩介"は、祖父が村長をしていた村の選挙に出馬することになった。樫村は開発推進派として、立候補しようと考えていて、子供のころからの幼馴染"津川良治"が参謀となり、絶対に勝てる選挙だという...。
●「不眠」:
会社をリストラされた"山室"は、睡眠薬の治験バイトが原因で不眠となり、夜明け前の散歩が日課になっていた。ある日風俗嬢殺人事件が起き、聞き込みに来た刑事に山室は、近所に住む"小井戸"が事件現場の方向から帰ってくるところを見たを言ってしまう...。
●「花輪の海」:
"テル"が大学で入部した空手部は、暴力的なOBに支配されていた。海での合宿中、OB達からの夜襲に合い、疲れ果てた同期の"サトル"が溺れ死んでしまう。テル達はOBの報復を恐れ、彼らが合宿に来ていたことを秘密にした...。
●「他人の家」:
悪友に誘われ強盗傷害事件を起こしてしまった"貝原"は、出所後は妻と共につつましく暮らしていた。しかし大家にその過去を知られ、アパートを追い出される。そんな貝原夫婦を、資産家の老人が養子として迎え入れる...。
最愛の息子を殺害された父親が直面した「真相」、「18番ホール」に秘密を隠した男の周囲の人々へのおぞましい振る舞い、リストラされた男が逃れられない「不眠」、しごきにより追い詰められ「花輪の海」に沈んだ苦悩、そして過去の犯罪歴が暴かれ平穏な暮らしが望めない夫婦が逃げ込めた「他人の家」...どの話も不安と焦燥と疑心暗鬼まみれだった。いやー凄まじい短編集だった。
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