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Wednesday, December 15, 2021

「EV イブ/高嶋哲夫」を読んだ

Tetsuotakashima_ev 世田谷中央図書館で借りて読んでみた高嶋哲夫の「EV イブ」(角川春樹事務所)について。
 こんなあらすじ。深刻な地球温暖化の前に、欧米では遅くとも2035年までにエンジン車の新車販売が規制され、新車販売は電気自動車EVに限定されることになった。加えて中国は、2030年をめどに国内の新車販売をすべて環境対応車であるハイブリット車かEVに変更するという。このような世界情勢を前に、ガソリン車を中心とした既存産業への配慮と圧力から政府は有効な手を打てずにいた。経産省自動車課の"瀬戸崎啓介"は焦りを募らせる...。
 ガソリンエンジン車の新車販売禁止が近づき、ハイブリッド車にこだわりEVへの全面移行に遅れた日本自動車産業の危機を描いた経済小説。キャスティングボードに握る中国への猜疑心など、今後の自動車業界の不安要素がわかりやすく描かれているんだけど、現実と小説の境界がわかりにくく、日本はどう進もうとしているのかが面白かった。
 新型コロナウイルスの蔓延を予言したかのような「首都感染」など、時代の一歩先をいくテーマで社会への警鐘を鳴らし続けている高嶋哲夫、これからも読んでいきたい。
 
cf. 高嶋哲夫 読破 List
首都感染 (2010)
富士山噴火 (2015)
日本核武装 (2016)
紅い砂 The Wall (2020)
バクテリア・ハザード (2020) * ペトロバグ(2007 改題/再編集)
- EV イブ (2021)

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