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Tuesday, January 25, 2022

「涅槃/垣根涼介」を読んだ

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 ひさしぶりに垣根涼介。世田谷中央図書館で借りた「涅槃」(/)(朝日新聞出版)について。
 こんなあらすじ。城を攻め落とされ没落した宇喜多家の幼い長男"八郎"に、稀有な非凡さを見い出した豪商"阿部善定"は家族をまるごと引き取る決意をする。この子であれば、やがて宇喜多家を再興できるのではと期待を寄せたためだった。一方、八郎は孤独な少年時代の中で、商いの重要性に早くから気付き、町や商人の暮らしに強く惹かれる。青年期に差しかかる頃、年上の女性"紗代"と深く関わり合うことで自身の血に流れる宿命を再確認し、八郎はやがて直家となった...。
 義父を酒宴でもてなし殺害し、娘の嫁ぎ先もお構いなく討ち滅ぼす。そんな戦国時代の悪名高い武将「宇喜多直家」の生涯を描いた歴史小説。本人が望まないにもかかわらず幼少の頃から武門の再興を定められた直家が、宇喜多家の存続のためにはどんなことでもする。巨大勢力の毛利家と織田家のはざまで、ときに織田になびき、ときに毛利につくという武士の倫理観とは相いれない行動を取るんだけど、生き延びるためのその腹のくくり方が凄まじい。900ページほどの長編小説、ほんとに浸れました。
 
cf. 垣根涼介 読破 List
ヒートアイランド (2001)
光秀の定理 (2013)
- 涅槃 (2021)

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