「人間標本/湊かなえ」を読んだ
たまーに読んでる湊かなえ。茅ヶ崎図書館で借りて読んでみた「人間標本」(KADOKAWA)について。
こんなあらすじ。蝶の目に映る世界を欲した昆虫学者の"榊史郎"は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。5体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か...。
猟奇殺人事件を芸術品として耽美的に扱ったホラー小説。犯人の独白、SNSのコメント、息子の独白、独房での回想、そして面会室での真相...章を追うごとに見事にミスリードされ続けた。人の闇を描き切った残虐性の強い描写が、6人の挿絵に重なるんだけど、こんな悲劇の連鎖を描いた本、読んだことない。不快な読後感しか残らないイヤミス女王の1冊だった。
cf. 湊かなえ 読破 List
- 告白 (2008)
- Nのために (2010)
- 夜行観覧車 (2010)
- 往復書簡 (2010)
- サファイア (2012)
- 白ゆき姫殺人事件 (2012)
- 豆の上で眠る (2014)
- 物語のおわり (2014)
- 絶唱 (2015)
- リバース (2015)
- ポイズンドーター・ホーリーマザー (2016)
- ドキュメント (2021)
- 人間標本 (2023)
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