「ジェンダー・クライム/天童荒太」を読んだ
ひさしぶりの天童荒太。「ジェンダー・クライム」(文藝春秋)を読んだ。
こんなあらすじ。土手下に転がされていた男性の遺体。暴行の痕が残る体には、「目には目を」というメッセージが残され、その男性の息子は、3年前に起きた集団レイプ事件の加害者だった。所轄八王子南署の鞍岡警部補は本部捜査1課の志波警部補とコンビを組んで捜査に当たる…。
これ、連鎖する「性にまつわる犯罪…ジェンダー・クライム」を描いた犯罪小説。性被害にあった被害者と加害者の現状、その家族がずっと負うもの、そして、社会全体に根付く無意識の偏見が描かれていて、無意識に内在する差別意識を考えさせられる。ずいぶん前に読んだ「悼む人」の時も思ったけど、天童荒太って背後の闇を書くのがうまい作家だと思う。あらためて、ほかの作品も読もう。
cf. 天童荒太 読破 List
- 孤独の歌声 (1994)
- 悼む人 (2008)
- ジェンダー・クライム (2024)
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