「首木の民/誉田哲也」を読んだ
誉田哲也の「首木の民」(双葉社)、茅ヶ崎図書館で借りて読んでみた。
こんなあらすじ。大学の客員教授"久和"が窃盗と公務執行妨害の容疑で逮捕された。その逮捕理由は、久和が運転する車の中から、血が付いた他人の財布が発見されたためだった。久和は内閣府が設置する経済財政諮問会議に参加したこともある経済政策通だが、警視庁志村署の"佐久間"に対し「公務員を信用していない」と言い、取調べは一向に進まなかった。一方、財布の持ち主を捜していた志村署の"中田"は、持ち主のフリーライター"菊池"に行き着く...。
これ、タイトル読んで誉田哲也らしい狂気連続残虐殺人モノと思って読み始めたが、犯罪小説のフリした経済小説。しかも、戦後社会で綿々と続く欺瞞を暴いた社会派な小説だった。「国費は税収だけで賄うべき」という財務省の深い闇を描いていて、とても難しいけど、日本の借金について考えさせられた。誉田哲也の世界が広がった1冊。
cf. 誉田哲也 読破 List
- 妖の華 (2003)
- アクセス (2004)
- 吉原暗黒譚 (2004)
- 春を嫌いになった理由 (2005)
- 疾風ガール (2005)
- ジウI 警視庁特殊犯捜査係 (2005)
- ストロベリーナイト (2006)
- ジウII 警視庁特殊急襲部隊 (2006)
- ジウIII 新世界秩序 (2006)
- 月光 (2006)
- ソウルケイジ (2007)
- 武士道シックスティーン (2007)
- 国境事変 (2007)
- シンメトリー (2008)
- 武士道セブンティーン (2008)
- ヒトリシズカ (2008)
- ガール・ミーツ・ガール (2009)
- 武士道エイティーン (2009)
- ハング (2009)
- インビジブルレイン (2009)
- 主よ、永遠の休息を (2010)
- 世界でいちばん長い写真 (2010)
- 歌舞伎町セブン (2010)
- 感染遊戯 (2011)
- レイジ (2011)
- ドルチェ (2011)
- あなたの本 (2012)
- 誉田哲也 All Works/誉田哲也(監修) (2012)
- 痛み/貫井徳郎・福田和代・誉田哲也 (2012)
- あなたが愛した記憶 (2012)
- 幸せの条件 (2012)
- ブルーマーダー (2012)
- ドンナ ビアンカ (2013)
- 増山超能力師事務所 (2013)
- Qrosの女 (2013)
- ケモノの城 (2014)
- 黒い羽 (2014)
- 歌舞伎町ダムド (2014)
- インデックス (2014)
- 武士道ジェネレーション (2015)
- プラージュ (2015)
- 硝子の太陽N-ノワール (2016)
- 硝子の太陽R-ルージュ (2016)
- 増山超能力師大戦争 (2017)
- ノーマンズランド (2017)
- あの夏、二人のルカ (2018)
- ボーダレス (2018)
- 背中の蜘蛛 (2019)
- 妖の掟 (2020)
- もう、聞こえない (2020)
- オムニバス (2021)
- フェイクフィクション (2021)
- 歌舞伎町ゲノム (2021)
- アクトレス (2022)
- マリスアングル (2023)
- 首木の民 (2024)
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