「ピンク・バス/角田光代」を読んだ
茅ヶ崎市図書館で借りて読んでみた角田光代の「ピンク・バス」(角川文庫)について。
これ、2つの作品は収録されている。それぞれこんなあらすじ。
●「ピンク・バス」:
夫"タクジ"との間に子供を授かり浮かれている"サエコ"の家に、夫の姉"実夏子"が突然訪れる。長い間消息不明だった実夏子は、そのまま住み着いてしまった。実夏子は真夜中に化粧をしたり、冷蔵庫のハムを丸ごと食べたりと不審な行動を繰り返す。その言動に対して何も言わないタクジにイラつき、サエコの心はかき乱されていく...。
●「昨夜はたくさん夢を見た」:
中古レコード屋でバイトしている大学生の"私"と"イタガキ"は付き合っている。イタガキは何かにつけ影響を受けやすい人間で、そのイタガキが突然インドに行ってしまう...。
2つの作品とも角田光代の初期中編作品。出産を目前に控えた女性の心の揺れを描いた「ピンク・バス」も、精神的な不安定さがずっとつきまとってる「昨夜はたくさん夢を見た」も、どこか空虚で徒労感が漂ってる。ホームレスと路上生活したり、セックスドラッグロックンロールなバンド男とつきあったりと、結構、情緒破壊的でなかなかのヘビーさがある。角田光代、ずっと変わっていないと思った。
cf. 角田光代 読破 List
- 幸福な遊戯 (1991)
- ピンク・バス (1993)
- キッドナップ・ツアー (1998)
- ちいさな幸福 All Small Things (2004)
- トリップ (2004)
- ぼくとネモ号と彼女たち (2006)
- 八日目の蝉 (2007)
- ロック母 (2007)
- 三面記事小説 (2007)
- 森に眠る魚 (2008)
- 聖なる夜に君は/奥田英朗・角田光代・大崎善生・島本理生・盛田隆二・蓮見圭一 (2009)
- 紙の月 (2012)
- 晴れの日散歩 (2024)
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