Wednesday, November 24, 2021

「クスノキの番人/東野圭吾」を読んだ

Keigohigashino_kusunokinobannin たまに読んでる東野圭吾。世田谷区中央図書館で借りて読んでみた「クスノキの番人」(実業之日本社)について。
 こんなあらすじ。"玲斗"は不当な理由で解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった。起訴を待つ身となってしまった玲斗のもとに突然弁護士が現れ、依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるという。依頼人の待つ場所へ向かうと、"千舟"と名乗る年配の女性が待っていた。千舟は玲斗に「自分はあなたの伯母だ」と伝え、「あなたにしてもらいたいこと、それはクスノキの番人です」と話す...。
 これ、祈れば願いが叶うと言われているクスノキの番人を任された青年と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々を描いたファンタジー作品。甥と伯母という関係、その2人を取り巻く人間模様、そして老いを通じて人は忘れていくけども、周りの人々がそれぞれを想いを受け継いでいけばいいというメッセージ、スピリチュアルだけどなんか信じられるのがよかったです。なかなかの佳作でした。
 
cf. 東野圭吾 読破 List
ブルータスの心臓 (1989)
回廊亭殺人事件 (1991)
美しき凶器 (1992)
分身 (1993)
むかし僕が死んだ家 (1994)
パラレルワールド・ラブストーリー (1995)
悪意 (1996)
秘密 (1998)
白夜行 (1999)
予知夢 (2000)
嘘をもうひとつだけ (2000)
レイクサイド (2002)
時生 (2002)
幻夜 (2004)
さまよう刃 (2004)
容疑者Xの献身 (2005)
黒笑小説 (2005)
ダイイング・アイ (2007)
赤い指 (2006)
流星の絆 (2008)
聖女の救済 (2008)
パラドックス13 (2009)
カッコウの卵は誰のもの (2010)
プラチナデータ (2010)
白銀ジャック (2010)
麒麟の翼 (2011)
真夏の方程式 (2011)
マスカレード・ホテル (2011)
虚像の道化師 ガリレオ7 (2012)
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (2012)
夢幻花 (2013)
疾風ロンド (2013)
祈りの幕が下りる時 (2013)
虚ろな十字架 (2014)
マスカレード・イブ (2014)
禁断の魔術 (2015)
天空の蜂 新装版 (2015)
魔力の胎動 (2018)
沈黙のパレード (2018)
希望の糸 (2019)
- クスノキの番人 (2020)
- ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人 (2020)

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Tuesday, November 16, 2021

「野良犬の値段/百田尚樹」を読んだ

Naokihyakuta_norainu たまに読みたくなる百田尚樹。世田谷中央図書館で借りてに読んでみた「野良犬の値段」(幻冬舎)について。
 こんなあらすじ。突如としてネット上に謎の「誘拐サイト」が現れた。「私たちが誘拐したのは以下の人物です」という文言とともにサイトで公開されたのは、6人のみすぼらしい男たちの名前と顔写真だった...。
 これ、6人のホームレスが誘拐され、自分たちとは無関係な人間の身代金を払うはずのないテレビ局や新聞社がじわじわと追い詰められていく様を描いた劇場型犯罪ミステリー。日本社会に命の価値を問いかけながら、警察、メディア、ネットの住民達が翻弄されていく事態がたまらなくて、イッキに読んでしまった。見ず知らずのホームレスを助けるために身代金を払うのかによって、愛は世界を救うという人達の欺瞞が暴かれていく。面白かったです。
 

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Wednesday, November 10, 2021

「インドラネット/桐野夏生」を読んだ

Natsuokirino_indranet あんまり読んでない桐野夏生。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「インドラネット」(KADOKAWA)について。
 こんなあらすじ。何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた"八目晃"は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。晃の唯一の誇りは、高校の同級生でカリスマ性を持つ"野々宮空知"と美しい姉妹"橙子"と"藍"と親しく付き合ったことだった。しかしその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、晃は東南アジアの混沌の中に飛び込んでいく...。
 日本人の青年がカンボジアでかつての親友を捜すという話だんだけど、その主人公があまりにダメダメでグズグズ。世の中に文句を吐きながらも何もできず、向上心もなく怠慢で、脇の甘さにいい加減にして欲しい思う。そんな主人公にイライラさせられながらも、いつの間にか読まされてた。ポル・ポトの歴史から現代のカンボジアの政治情勢まで、あのアジアの蒸し暑い湿度とともに伝わってきた。最後に訪れる衝撃までなんか不思議な小説だった。
 
cf. 桐野夏生 読破 ListList
OUT (1997)
デンジャラス (2017)
- インドラネット (2021)

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Tuesday, October 26, 2021

「リボルバー/原田マハ」を読んだ

Mahaharada_lerevolver ちょいちょい読んでる原田マハ。世田谷区中央図書館で借りて読んでみた「リボルバー」(幻冬舎)について。
 こんなあらすじ。パリ大学で美術史の修士号を取得した"高遠冴"は、小さなオークション会社CDCに勤務し、週1回のオークションでは、どこかのクローゼットに眠っていた誰かにとってのお宝ばかりを扱っていた。いつかは高額の絵画取引に携わりたいと願っていた冴の元に、ある日錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれる。それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという...。
 これ、オークション会社に持ち込まれた一丁の錆びたリボルバーを通じ、「ファン・ゴッホは、ほんとうにピストル自殺をしたのか?」というアート史上最大のミステリーについて描かれた史実に基づくフィクション小説。リボルバーの真贋のため、主人公の冴が謎に満ちた過去を調べていく中で、確かに交流があったゴッホとゴーギャンの愛憎と、それぞれが抱えていた苦悩が描かれていき、それが時を超えてその子孫たちまで流れていくのがいい。やっぱり、原田マハがゴッホとゴーギャンへの思いが作品に深みを与えているのがほんと伝わってきた。今度「ゴッホのあしあと」も読んでみたい。
 
cf. 原田マハ 読破 List
カフーを待ちわびて (2006)
一分間だけ (2007)
ランウェイ☆ビート (2008)
さいはての彼女 (2008)
キネマの神様 (2008)
花々 (2009)
翼をください (2009)
ギフト (2009/2021)
本日は、お日柄もよく (2010)
星がひとつほしいとの祈り (2010)
風のマジム (2010)
まぐだら屋のマリア (2011)
永遠をさがしに (2011)
いと-運命の子犬-/原田マハ(文)・秋元良平(写真) (2011)
小説 星守る犬/原田マハ(著)・村上たかし(原作) (2011)
楽園のカンヴァス (2012)
旅宿おかえり (2012)
生きるぼくら (2012)
いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵(2013)
ジヴェルニーの食卓 (2013)
総理の夫 First Gentleman (2013)
ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言 (2013)
翔ぶ少女 (2014)
太陽の棘 (2014)
奇跡の人 The Miracle Worker (2014)
あなたは、誰かの大切な人 (2014)
異邦人(いりびと) (2015)
モダン (2015)
ロマンシエ (2015)
暗幕のゲルニカ (2016)
デトロイト美術館の奇跡 DIA:A Portrail of Life (2016)
リーチ先生 (2016)
恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
サロメ (2017)
アノニム (2017)
たゆたえども沈まず (2017)
いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画 (2017)
スイート・ホーム (2018)
フーテンのマハ (2018)
常設展示室 Permanent Collection (2018)
美しき愚かものたちのタブロー (2019)
20 CONTACTS 消えない星々との短い接触 (2019)
風神雷神 Juppiter,Aeolus (2019)
ハグとナガラ (2020)
<あの絵>のまえで (2020)
モネのあしあと (2021)
- リボルバー (2021)

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Tuesday, October 19, 2021

「映画:フィッシュマンズ」パンフレットを読んだ

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 先日立川で観た「映画:フィッシュマンズ」(2021)のパンフレットについて。
 この映画を通じて、欣ちゃん、原田郁子、ハナレグミ、UAによるトークセッションで佐藤伸治の曲と歌うことについて語り、フィッシュマンズの映像を撮り続け、あの映画「The Long Season Revue」(2006)を撮った川村ケンスケ監督とこの映画を撮った手嶋悠貴監督との対談ではいい意味で緊張感が伝わってきた。
 10inchレコードサイズのスリーブ仕様のパンフ、大切にしよう。

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Thursday, October 14, 2021

「真相/横山秀夫」を読んだ

Hideoyokoyama_shinso たまに読んでる横山秀夫。三茶Tsutayaで買ってみた社会派ミステリー短編集「真相」(双葉文庫)について。
 それぞれこんなあらすじ。
 ●「真相」:
 何者かに殺害された息子を持つ父親"篠田佳男"のところに犯人逮捕の知らせが警察から入った。10年前の事件がやっと解決し、安堵した篠田だったが、捕まった容疑者は事件当日の息子の行動について思いもよらぬ供述をした...。
 ●「18番ホール」:
 県庁に勤めていた"樫村浩介"は、祖父が村長をしていた村の選挙に出馬することになった。樫村は開発推進派として、立候補しようと考えていて、子供のころからの幼馴染"津川良治"が参謀となり、絶対に勝てる選挙だという...。
 ●「不眠」:
 会社をリストラされた"山室"は、睡眠薬の治験バイトが原因で不眠となり、夜明け前の散歩が日課になっていた。ある日風俗嬢殺人事件が起き、聞き込みに来た刑事に山室は、近所に住む"小井戸"が事件現場の方向から帰ってくるところを見たを言ってしまう...。
 ●「花輪の海」:
 "テル"が大学で入部した空手部は、暴力的なOBに支配されていた。海での合宿中、OB達からの夜襲に合い、疲れ果てた同期の"サトル"が溺れ死んでしまう。テル達はOBの報復を恐れ、彼らが合宿に来ていたことを秘密にした...。
 ●「他人の家」:
 悪友に誘われ強盗傷害事件を起こしてしまった"貝原"は、出所後は妻と共につつましく暮らしていた。しかし大家にその過去を知られ、アパートを追い出される。そんな貝原夫婦を、資産家の老人が養子として迎え入れる...。
 
 最愛の息子を殺害された父親が直面した「真相」、「18番ホール」に秘密を隠した男の周囲の人々へのおぞましい振る舞い、リストラされた男が逃れられない「不眠」、しごきにより追い詰められ「花輪の海」に沈んだ苦悩、そして過去の犯罪歴が暴かれ平穏な暮らしが望めない夫婦が逃げ込めた「他人の家」...どの話も不安と焦燥と疑心暗鬼まみれだった。いやー凄まじい短編集だった。
 
cf. 横山秀夫 読破 List
半落ち (2002)
第三の時効 (2003)
- 真相 (2003)
クライマーズ・ハイ (2003)
影踏み (2003)
看守眼 (2004)
出口のない海 (2004)
64(ロクヨン) (2012)

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Tuesday, October 12, 2021

「モネのあしあと/原田マハ」を読んだ

Mahaharada_monenoashiato ちょいちょい読んでる原田マハ。世田谷区中央図書館で借りて読んでみた「モネのあしあと」(幻冬舎文庫)について。
 これ、原田マハによる印象派モネの解説。モネの生きた時代背景から、モネの周りにいた人々、モネ作品そしてモネ自身について、日本人に人気な理由、そしてモネを楽しむパリの旅行ガイドまでとわかりやすく書かれていた。特に載せられた作品写真があるのがよいです(ほんとはモノクロよりカラーがよかった)。
 以前読んだ短編集「ジヴェルニーの食卓」をもう一度読みたくなったし、同じく「ゴッホのあしあと」も読んでみたい。
 
cf. 原田マハ 読破 List
カフーを待ちわびて (2006)
一分間だけ (2007)
ランウェイ☆ビート (2008)
さいはての彼女 (2008)
キネマの神様 (2008)
花々 (2009)
翼をください (2009)
ギフト (2009/2021)
本日は、お日柄もよく (2010)
星がひとつほしいとの祈り (2010)
風のマジム (2010)
まぐだら屋のマリア (2011)
永遠をさがしに (2011)
いと-運命の子犬-/原田マハ(文)・秋元良平(写真) (2011)
小説 星守る犬/原田マハ(著)・村上たかし(原作) (2011)
楽園のカンヴァス (2012)
旅宿おかえり (2012)
生きるぼくら (2012)
いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵(2013)
ジヴェルニーの食卓 (2013)
総理の夫 First Gentleman (2013)
ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言 (2013)
翔ぶ少女 (2014)
太陽の棘 (2014)
奇跡の人 The Miracle Worker (2014)
あなたは、誰かの大切な人 (2014)
異邦人(いりびと) (2015)
モダン (2015)
ロマンシエ (2015)
暗幕のゲルニカ (2016)
デトロイト美術館の奇跡 DIA:A Portrail of Life (2016)
リーチ先生 (2016)
恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
サロメ (2017)
アノニム (2017)
たゆたえども沈まず (2017)
いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画 (2017)
スイート・ホーム (2018)
フーテンのマハ (2018)
常設展示室 Permanent Collection (2018)
美しき愚かものたちのタブロー (2019)
20 CONTACTS 消えない星々との短い接触 (2019)
風神雷神 Juppiter,Aeolus (2019)
ハグとナガラ (2020)
<あの絵>のまえで (2020)
- モネのあしあと (2021)

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Wednesday, October 06, 2021

「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発/門田隆将」を読んだ

Ryushokadota_shinofuchiwo 映画「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」(2020)の原作、門田隆将のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を読んだ。
 これ、福島第一原子力発電所の所長だった吉田昌郎を初め、菅直人総理大臣、発電所で死を覚悟した所員たち、自衛隊隊員、亡くなった若き所員の家族など、膨大な関係者へのインタビューに基づくノンフィクション。3.11東日本大震災で発生した巨大津波は、福島第一原発の原子炉を暴走させるんだけど、あの現場にいた人々に何が起き、何を思い、どう闘ったが記録されている。ほんと壮絶な現場だったことがよくわかるし、いまも続いていることを改めて思い知らされた。お勧めです。

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Friday, October 01, 2021

「カード師/中村文則」を読んだ

Fuminorinakamura_cardshi 世田谷中央図書館でやっと借りれた中村文則の「カード師」(朝日新聞出版)について。
 こんなあらすじ。自分は占いを信じていない占い師であり、違法カジノのポーカーゲームのディーラーだった。そんな自分に冷酷な資産家の顧問占い師となるという指令がある組織から舞い込んだ。その男から「近い未来の何かを当ててくれ」と要求される...。
 カードの世界、手品の世界、タロットの世界...そこでは占いに一喜一憂し、全財産を失い人生を狂わされ、カードに意味を見出そうとしていく。そんな人智を超え、人間が抗えない世界が描かれているんだけど、極限状況のポーカーゲームの描写も、神戸地震や東北震災の悲劇も、コロナ禍へもつながるんだけど、そこにはちょっと希望がある。とあるインタビューで中村文則は、「先のことがわかれば悲劇を避けることができる。けれども、それはわからないから、絶望もできない。同じことだけれど、意味がまったく反転する。世の中が悪化しても、絶望するにはまだ早いんです」と答えているけど、まさにそういうことなんだと思った1冊。読み応えありました。
 
cf. 中村文則 読破 List
土の中の子供 (2005)
教団X (2014)
あなたが消えた夜に (2015)
- カード師 (2021)

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Wednesday, September 29, 2021

「鳴かずのカッコウ/手嶋龍一」を読んだ

Ryuichitejima_nakazunokakkou 世界を震撼させたいくつもの事件と結ぶ"インテリジェンス"の意味を書いてきた手嶋龍一。「ウルトラ・ダラー」、「スギハラ・サバイバル」に続く11年ぶりの3冊目「鳴かずのカッコウ」(小学館)について。
 こんなあらすじ。警察や防衛省の情報機関と比べて、ヒトもカネも乏しく、武器すら持たない公安調査庁。そんな最小で最弱の組織に入庁してしまったマンガオタク青年の"梶壮太"は、ある日のジョギング中、ふと目にした看板から中国・北朝鮮・ウクライナの組織が入り乱れた国際諜報戦線に足を踏み入れていく...。
 初対面の相手に堂々と身分を名乗れず、所属する組織名を記した名刺も渡せない...そんな公安調査官となり戸惑いながらもインテリジェンスの世界に誘われていく青年を描いた物語。「外交においての信頼できる価値ある情報」という意味の「インテリジェンス」、公開情報や秘密情報を緻密で地道で想像力と発想を大事にしながら分析し、精査し、ときに熾烈な諜報戦のうえに手にするインテリジェンスの世界を、この3作目では、"壮太"の成長を通じて、わかりやすく描かれている。いやー面白かった。
 
cf. 手嶋龍一 読破 List

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