Wednesday, May 13, 2026

「普天を我が手に 第三部/奥田英朗」を読んだ

Hideookuda_funtenwo3 奥田英朗の「普天を我が手に」3部作。 第一部第二部に続いて、ラスト「普天を我が手に 第三部」(講談社)について。
 こんなあらすじ。激動の戦後。"竹田志郎"は、東京大学法学部を卒業後、検事となる。戦後の発展のウラで苦しむ人々を救い、私腹を肥やすものを糺すべく、公害訴訟や政治汚職事件にひるまず立ち向かう。"矢野四郎"は、自身の事業を成功させるとともに大物政治家にも可愛がられ、右翼の大物となる。やくざが淘汰されゆくなかでも国士である意志は一層強く、故郷・石川より衆院選に出馬する。"森村ノラ"は、GHQでの経験からAP通信の特派員となるが、その後「大日本テレビ」の女性記者に転職する。結婚し育児にも励みながら、ベトナム戦争の取材を敢行するなど、持ち前の活力で奔走する。そして、"五十嵐満"は、自身の芸能プロダクションを興し、気鋭バンドのプロモーション、プロレス興行への参入、世界的ミュージシャンの来日公演など、戦後大衆文化の中核を担う存在となる...。
 親から子へと昭和元年に生まれた4人の主人公を通じて描いた昭和史3部作。ロッキード事件、田中角栄、石原慎太郎、自民党、朝鮮戦争、ベトナム戦争、児玉誉士夫、山口組、安藤組、開高健、ビートルズ、力道山、王貞治、連合赤軍、あさま山荘事件、ハイジャック、渡辺恒雄、沖縄復帰...フィクションとノンフィクションが絡み、自分がリアルに覚えていること含め、昭和のことをもう一度感じることができた。読み応えある時間を過ごせました。

cf. 奥田英朗 読破 List
B型陳情団 (1990)
ウランバーナの森 (1997)
最悪 (1999)
邪魔 (2001)
東京物語 (2001)
イン・ザ・プール (2002)
延長戦に入りました (2002)
マドンナ (2002)
真夜中のマーチ (2003)
空中ブランコ (2004)
サウスバウンド (2005)
ララピポ (2005)
ガール (2006)
町長選挙 (2006)
家日和 (2007)
オリンピックの身代金 (2008)
用もないのに (2009)
無理 (2009)
聖なる夜に君は/奥田英朗・角田光代・大崎善生・島本理生・盛田隆二・蓮見圭一(2009)
純平、考え直せ (2011)
我が家の問題 (2011)
あの日、君と Boys/ナツイチ制作委員会(編)・伊坂幸太郎(著)・井上荒野(著)・奥田英朗(著)・佐川光晴(著)・中村航(著)・西加奈子(著)・柳広司(著)・山本幸久(著) (2012)
短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
噂の女 (2012)
沈黙の町で (2013)
田舎でロックンロール (2014)
ナオミとカナコ (2014)
我が家のヒミツ (2015)
向田理髪店 (2016)
ヴァラエティ (2016)
恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
罪の轍 (2019)
コロナと潜水服 (2020)
リバー (2022)
コメンテーター (2023)

普天を我が手に 第一部 (2025)
普天を我が手に 第二部 (2025)
- 普天を我が手に 第三部 (2025)

| | Comments (0)

Monday, April 27, 2026

「ニワトリは一度だけ飛べる/重松清」を読んだ

Kiyoshishigematsu_niwatoriha ひさしぶりの重松清。茅ヶ崎図書館で選んだ「ニワトリは一度だけ飛べる」(朝日文庫)について。
 こんなあらすじ。左遷部署「イノベーション・ルーム」に異動となった酒井裕介のもとに「ニワトリは一度だけ飛べる」という題名の謎のメールが届くようになる。送り主は、左遷された酒井ら3人を「オズの魔法使い」の登場人物になぞらえて、何かメッセージを伝えようとしているようなのだが...。
 たいした仕事はなく、それでも常に監視され、変ないいがかりをつけられないよう自分の挙動に注意して、そんな日々を家族に伝えらない…そんな会社生活を描いている。戦力外通告の部署、聞くだけで不快な気持ちになる話。

cf. 重松清 読破 List
舞姫通信 (1995)
見張り塔からずっと (1995)
ナイフ (1997)
定年ゴジラ (1998)
エイジ (1999)
カカシの夏休み (2000)
ビタミンF (2000)
リビング (2000)
口笛吹いて (2001)
流星ワゴン (2002)
きよしこ (2002)
熱球 (2002)
疾走 (2003)
送り火 (2003)
卒業 (2004)
いとしのヒナゴン (2004)
みんなのなやみ (2004)
その日のまえに (2005)
きみの友だち (2005)
小学五年生 (2007)
カシオペアの丘で (2007)
くちぶえ番長 (2007)
青い鳥 (2007)
ブルーベリー (2008)
せんせい。 (2008)
みぞれ (2008)
とんび (2008)
季節風 冬 (2008)
ステップ (2009)
あの歌がきこえる (2009)
再会 (2009)
十字架 (2009)
ポニーテール (2011)
ロング・ロング・アゴー <「再会」改題> (2012)
きみの町で/重松清・ミロコマチコ (2013)
星のかけら (2013)
みんなのうた (2013)
一人っ子同盟 (2014)
- ニワトリは一度だけ飛べる (2019)

|

Wednesday, April 22, 2026

「天国旅行/三浦しをん」を読んだ

Shionmiura_tengokuryoko たまに読んでる三浦しをん。茅ヶ崎図書館で借りて読んでみた「天国旅行」(新潮文庫)について。
 自殺や死を描いた7つの短編集。それぞれこんなあらすじ。
 ●「森の奥」:
 仕事や家庭に疲れ、生きることに絶望した中年男性"明男"は、自殺するために青木ヶ原の樹海へ入る。そこで、不思議な若い男に出会い、「死ぬならもっと奥へ行け」と導かれて森の奥へ進んでいく...。
 ●「遺言」:
 老人は若いころ、深く愛した女性と心中を約束していた。しかし実際には心中は実行されず、恋人は先に亡くなる。彼は「もしあのとき一緒に死んでいれば」と何度も思いながら、長い人生を生きてきた...。
 ●「初盆の客」:
 祖母が亡くなり、家族が初盆で集まった。妊娠中の"真弓"は、夢の中で「新しい命が来るね」と穏やかに話す祖母に会った...。
 ●「君は夜」:
"理沙"は、子どものころから江戸時代の女性として生きる夢を繰り返し見ていた。夢の中では、ある男と夫婦として暮らしているが、その夢は非常にリアルなものだった。そして大人になった彼女は、夢の男に似た男性と現実世界で出会う...。
 ●「炎」:
 高校の校庭で男子生徒が焼身自殺する事件が起きる。自殺したのは高校生の"亜利沙"が憧れていた先輩だった。彼女は、先輩の恋人だった"千尋"とともに、「なぜ彼は死んだのか」を探ろうとする...。
 ●「星くずドライブ」:
 恋人同士の男女が、死ぬことを決意して車で旅に出る。夜のドライブで2人はこれまでの人生、関係、家族、子どもの頃、未来について語り合う...。
 ●「SINK」:
 一家心中を図った家族の中で1人だけ生き残った男は、生き残ったことへの罪悪感を抱えながら日常を送っていた。周りは彼をかわいそうな被害者として扱うが、本人はなぜ自分だけ生きているのかと苦しんでいた...。

 どの話も心中や死を通じ、死を本気で想像したとき人は逆に生への執着を知り、命は循環し、人は誰かと話すだけで生きる方向に傾き、心中は生き残る人や周囲の人に深い傷を残すことを描いていた。人は簡単には死ねないことを思い直した1冊だった。

cf. 三浦しをん 読破 List
月魚 (2001)
月魚 (2001) #2
風が強く吹いている (2006)
まほろ駅前多田便利軒 (2006)
 (2008)
まほろ駅前番外地 (2009)
舟を編む (2011)
お友だちからお願いします (2012)
政と源 (2013)
- 天国旅行 (2013)
愛なき世界 (2018)
-
 エレジーは流れない (2021)
墨のゆらめき (2023)
しんがりで寝ています (2024)
ゆびさきに魔法 (2024)

|

Wednesday, April 08, 2026

「蜂蜜パイ/村上春樹」を読んだ

Harukimurakami_hachimitsupie 村上春樹、茅ヶ崎図書館で借りた「蜂蜜パイ」(新潮社)について。
こ んなあらすじ。主人公"淳平"は36歳の小説家。大学時代からの親友"高槻"と"小夜子"が結婚して娘の"沙羅"が生まれ、その2年後に離婚してからも4人は疑似家族のように毎週会っていた。そこに阪神淡路大震災が起こり、悪夢にうなされる沙羅に淳平は蜂蜜とり名人の熊の話を創作して聞かせる...。
 これ、1999年に刊行され、阪神淡路大震災に共鳴・共振した物語の短編集「神の子どもたちはみな踊る」に収録されたもの。この短編集の中で唯一の希望や未来で締めくくられた小説だった。今回17年ぶりに読んでみて、最終的に生への意志を手に入れるシーンがなんとも味わい深かった。短いけどなんか残る1冊。

cf. 村上春樹 読破 List
風の歌を聴け (1979)
中国行きのスロウ・ボート (1980)
カンガルー日和 (1981)
象工場のハッピーエンド/村上春樹・安西水丸 (1983)
蛍・納屋を焼く・その他の短編 (1984)
回転木馬のデッド・ヒート (1985)
羊男のクリスマス/村上春樹・佐々木マキ (1985)
パン屋再襲撃 (1986)
レキシントンの幽霊 (1986)
ランゲルハンス島の午後/村上春樹・安西水丸 (1986)
ノルウェイの森 (1987)
ダンス・ダンス・ダンス (1988)
TVピープル (1990)
雨天炎天-ギリシャ・トルコ辺境紀行- (1990)
やがて哀しき外国語 (1994)
もし僕らのことばがウィスキーであったなら (1997)
ふわふわ/村上春樹・安西水丸 (1998)
Mr.and Mrs.Baby and Other Stories-犬の人生/Mark Strand-マーク・ストランド(1998)
神の子供たちはみな踊る (1999-2000)
海辺のカフカ (2002)
海辺のカフカ (2002) #2
アフターダーク (2004)
東京奇譚集 (2005)
ふしぎな図書館/村上春樹・佐々木マキ (2005)
走ることについて語るときに僕の語ること (2007)
うずまき猫のみつけかた <新装版> (2008)
1Q84 BOOK1 <4月-6月> (2009)
1Q84 BOOK2 <7月-9月> (2009)
1Q84 BOOK3 <10月-12月> (2010)
ねむり (2010)
夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集 1997-2009(2010)
村上春樹 雑文集 (2011)
1Q84 BOOK1 <4月-6月> 前編(文庫) (2012)
1Q84 BOOK1 <4月-6月> 後編(文庫) (2012)
1Q84 BOOK2 <7月-9月> 前編(文庫) (2012)
1Q84 BOOK2 <7月-9月> 後編(文庫) (2012)
1Q84 BOOK3 <10月-12月> 前編(文庫) (2012)
1Q84 BOOK3 <10月-12月> 後編(文庫) (2012)
おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2/村上春樹・大橋歩 (2011)
サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3/村上春樹・大橋歩 (2012)
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (2013)
恋しくて-TEN SELECTED LOVE STORIES-/村上春樹(編訳) (2013)
女のいない男たち (2014)
村上さんのところ/村上春樹・フジモトマサル (2015)
職業としての小説家 (2015)
ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 (2015)
騎士団長殺し -第1部 顕れるイデア編- (2017)
騎士団長殺し -第2部 遷ろうメタファー編- (2017)
バースデイ・ガール (2017)
猫を棄てる -父親について語るとき- (2020)
村上T 僕の愛したTシャツたち (2020)
一人称単数 (2020)
街とその不確かな壁 (2023)
- 蜂蜜パイ (2025)

|

Friday, March 13, 2026

「冷血/髙村薫」を読んだ

Kaorutakamura_reiketsu1 Kaorutakamura_reiketsu2

 髙村薫の「冷血」</>(新潮文庫)。茅ヶ崎図書館で借りて読んでみた。
 こんなあらすじ。クリスマスイヴの朝、午前9時、歯科医一家殺害の第一報が入る。警視庁捜査一課の"合田雄一郎"は、北区の現場に臨場する。そして容疑者としてケータイサイトで知り合った"井上克美"と"戸田吉生"の2人の若者が浮上してきた...。
 特に前半は被害者と犯人、それぞれの視点で犯行に至るまでのプロセスが描かれ、後半は事件発生から犯人逮捕までを警察側の視点で描れていく。これがあまりに徹底的に緻密に描かれていくんだけど、昔読んだカポーティーの「In Cold Blood-冷血」での執拗さを感じてしまった。どちらも綿密すぎて、途中散漫に感じるところがあったり、決して読んだ後にすっきり感が残るものではなかったけれど、なんかひっかかる。
 髙村薫作品、あらためて読んでいきたいと思う。

cf. 髙村薫 読破 List
- レディ・ジョーカー (1997)
- 冷血 (2012)

|

Wednesday, February 18, 2026

「イノセンス/誉田哲也」を読んだ

Tetsuyahonda_innocense 茅ヶ崎図書館で借りて読んだ誉田哲也の「イノセンス」(幻冬舎)について。
 こんなあらすじ。3rd Albumを製作中、その音楽活動に行き詰まった"立石梨紅"は、数年前に業界から消えた人気ロックバンド「イノセンス」のギタリスト"伊丹孔善"の楽曲と出会う。その孔善にアドバイスをもらおうとするも、消息は不明だった。そして梨紅は自身の手で探そうと決意する...。
 失踪した孤高の天才ギタリストと、彼に憧れるスランプ中のシンガーソングライターを描いた音楽青春もの。夢から逃げた彼と夢を追いかける彼女の交流は何とも微笑ましい。疲れ果てて、壊れてしまい、ともかく逃げて休憩して、少しづつ回復していくんだけど、やっぱりほどよい距離感の人間関係がいい。休憩したい気持ちが膨らんでしまう1冊。

cf. 誉田哲也 読破 List
妖の華 (2003)
アクセス (2004)
吉原暗黒譚 (2004)
春を嫌いになった理由 (2005)
疾風ガール (2005)
ジウI 警視庁特殊犯捜査係 (2005)
ストロベリーナイト (2006)
ジウII 警視庁特殊急襲部隊 (2006)
ジウIII 新世界秩序 (2006)
月光 (2006)
ソウルケイジ (2007)
武士道シックスティーン (2007)
国境事変 (2007)
シンメトリー (2008)
武士道セブンティーン (2008)
ヒトリシズカ (2008)
ガール・ミーツ・ガール (2009)
武士道エイティーン (2009)
ハング (2009)
インビジブルレイン (2009)
主よ、永遠の休息を (2010)
世界でいちばん長い写真 (2010)
歌舞伎町セブン (2010)
感染遊戯 (2011)
レイジ (2011)
ドルチェ (2011)
あなたの本 (2012)
誉田哲也 All Works/誉田哲也(監修) (2012)
痛み/貫井徳郎・福田和代・誉田哲也 (2012)
あなたが愛した記憶 (2012)
幸せの条件 (2012)
ブルーマーダー (2012)
ドンナ ビアンカ (2013)
増山超能力師事務所 (2013)
Qrosの女 (2013)
ケモノの城 (2014)
黒い羽 (2014)
歌舞伎町ダムド (2014)
インデックス (2014)
武士道ジェネレーション (2015)
プラージュ (2015)
硝子の太陽N-ノワール (2016)
硝子の太陽R-ルージュ (2016)
増山超能力師大戦争 (2017)
ノーマンズランド (2017)
あの夏、二人のルカ (2018)
ボーダレス (2018)
背中の蜘蛛 (2019)
妖の掟 (2020)
もう、聞こえない (2020)
オムニバス (2021)

フェイクフィクション (2021)
歌舞伎町ゲノム (2021)
アクトレス (2022)
マリスアングル (2023)
ジウX (2023)
-
 首木の民 (2024)
暗黒戦鬼グランダイヴァー (2024)
- イノセンス (2025)

|

Thursday, February 12, 2026

「架空犯/東野圭吾」を読んだ

Keigohigashino_kakuhan ひさしぶり、茅ヶ崎図書館で借りて読んでみた東野圭吾の「架空犯」(幻冬舎)について。
 こんなあらすじ。都内の高級住宅地で起こった火災現場から、都議会議員"藤堂康幸"と元女優の妻"藤堂江利子"の遺体が発見される。当初は無理心中と思われたが、やがて殺人事件として捜査が進む。そんな中、「藤堂夫妻の非人道的行為に対し制裁を加えた」との犯行声明とともに、非人道的行為を証明する証拠品を3億円で買い取るよう告げる脅迫状が届く。警視庁捜査一課の"五代努"と所轄刑事の"山尾陽介"は捜査を始める...。
 これ、高級住宅地で起こった火災現場で発見された夫婦の遺体から事件の真相を追いかける犯罪捜査小説。複雑に入り組んだ人間模様の中で、愛情、片思い、憎悪、懺悔とそれぞれの思いが絡まって、それが解けていくんだけど、まさに東野圭吾作品の醍醐味満載だった。次の展開がどうなんだと読み進んでイッキ読み、前作「白鳥とコウモリ」も読もう。

cf. 東野圭吾 読破 List
ブルータスの心臓 (1989)
回廊亭殺人事件 (1991)
美しき凶器 (1992)
分身 (1993)
むかし僕が死んだ家 (1994)
パラレルワールド・ラブストーリー (1995)
悪意 (1996)
秘密 (1998)
白夜行 (1999)
予知夢 (2000)
嘘をもうひとつだけ (2000)
レイクサイド (2002)
時生 (2002)
幻夜 (2004)
さまよう刃 (2004)
容疑者Xの献身 (2005)
黒笑小説 (2005)
ダイイング・アイ (2007)
赤い指 (2006)
流星の絆 (2008)
聖女の救済 (2008)
パラドックス13 (2009)
カッコウの卵は誰のもの (2010)
プラチナデータ (2010)
白銀ジャック (2010)
麒麟の翼 (2011)
真夏の方程式 (2011)
マスカレード・ホテル (2011)
虚像の道化師 ガリレオ7 (2012)
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (2012)
夢幻花 (2013)
疾風ロンド (2013)
祈りの幕が下りる時 (2013)
虚ろな十字架 (2014)
マスカレード・イブ (2014)
禁断の魔術 (2015)
天空の蜂 新装版 (2015)
魔力の胎動 (2018)
沈黙のパレード (2018)
希望の糸 (2019)
クスノキの番人 (2020)
ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人 (2020)
- 透明な螺旋 (2021)
- 架空犯 (2024)

| | Comments (0)

Tuesday, February 03, 2026

「普天を我が手に 第二部/奥田英朗」を読んだ

Hideookuda_futenwowagateni2 奥田英朗の「普天を我が手に」3部作。 第一部に続いて、「普天を我が手に 第二部」(講談社)について。
 こんなあらすじ。太平洋戦争が勃発した。"竹田志郎"、父に伴って渡米したがそこで自分だけ捕虜となってしまう。ようやく帰国した後は日本の捕虜収容所の通訳となるも、目にしたのは看守の虐待が横行するずさんな実態だった。"矢野四郎"は、父の死後、親譲りの素行の悪さで少年院に入れられる。だが、出院後次第に悪化する戦況をうけ予科練に入ることを決意し、戦友と共に人間魚雷「回天」で出撃を期する。"森村ノラ"は、亀戸の喫茶店を任され、友人と闇米を買いに農村部へいったり、教会で預かった孤児たちを軽井沢へ疎開させるなど母親譲りの活力で奔走する。そして満州の"五十嵐満"は戦中は映画俳優として活躍し、新国家建設を標榜する張学士らの組織リバティに加入した。しかし敗戦後に組織はあっけなく瓦解し、タップダンスを武器に、旅芸者"藤田"と捕まっては脱走を繰り返す...。
 激動の昭和史サーガ三部作、前作は軍人、ヤクザ、女性活動家、満州のジャズマンという4人が描いていたが、今作は昭和元年に生まれたその4人の子供たちが10代になった姿が描かれている。激化する戦争、そして敗戦、占領、抑留という4人の凄まじい運命と経験が交差していき、たまに重なったりして、新しい時代を切り開いていく物語に、今回も引き込まれた。いよいよ第三部、楽しみです。

cf. 奥田英朗 読破 List
B型陳情団 (1990)
ウランバーナの森 (1997)
最悪 (1999)
邪魔 (2001)
東京物語 (2001)
イン・ザ・プール (2002)
延長戦に入りました (2002)
マドンナ (2002)
真夜中のマーチ (2003)
空中ブランコ (2004)
サウスバウンド (2005)
ララピポ (2005)
ガール (2006)
町長選挙 (2006)
家日和 (2007)
オリンピックの身代金 (2008)
用もないのに (2009)
無理 (2009)
聖なる夜に君は/奥田英朗・角田光代・大崎善生・島本理生・盛田隆二・蓮見圭一(2009)
純平、考え直せ (2011)
我が家の問題 (2011)
あの日、君と Boys/ナツイチ制作委員会(編)・伊坂幸太郎(著)・井上荒野(著)・奥田英朗(著)・佐川光晴(著)・中村航(著)・西加奈子(著)・柳広司(著)・山本幸久(著) (2012)
短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
噂の女 (2012)
沈黙の町で (2013)
田舎でロックンロール (2014)
ナオミとカナコ (2014)
我が家のヒミツ (2015)
向田理髪店 (2016)
ヴァラエティ (2016)
恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
罪の轍 (2019)
コロナと潜水服 (2020)
リバー (2022)
コメンテーター (2023)

普天を我が手に 第一部 (2025)
- 普天を我が手に 第二部 (2025)

|

Wednesday, January 28, 2026

「消える息子/安東能明」を読んだ

Takaakiando_kierumusuko 茅ヶ崎図書館で借りて読んでみた安東能明の「消える息子」(小学館文庫)について。
 こんなあらすじ。八王子市の公務員"宮津和夫"は、相模湖に連れ立った息子から「ぼく、あそこで殺されたんだ」と驚愕の告白をされる。同時に、息子の首には絞められたような痕が浮かんだ。それ以来、和夫も水辺で謎の男を絞め殺す悪夢にうなされるようになる...。
 これ、親子の前世を巡るタイムスリップミステリー。現在と33年前の八王子や相模湖を舞台に前世で殺した人間の生まれ変わりかと自問を繰り返す八王子市公務員を描いている。内容的は鉄板なタイムスリップモノで、過去に戻り行った行為が現在に影響が起き、歴史が変わるんだけど、個人的にこの話にハマったのは33年前の八王子や相模湖のこと。甲州街道のアーケード、八幡町の織物組合、大丸や長崎屋のデパート、台町、冨士森公園、北口にあった「織物の八王子」というモニュメント...まさに自分が大学生まで過ごしていた八王子のことや、小学生の頃釣りに行った相模湖が描かれている。しかも、うちは昔、織物工場だったし、親父は八王子の公務員で、そんな構図も出てきて、心底驚いた。たまたま手に取ったこの小説、なんか運命を感じた1冊だった。

cf. 安東能明 読破 List
- 消える息子 (2012)

| | Comments (0)

Friday, January 23, 2026

「逢魔が時に会いましょう/荻原浩」を読んだ

Hiroshiogiwara_oumagatokini 茅ヶ崎図書館で借りて読んでみた荻原浩の「逢魔が時に会いましょう」(集英社文庫)について。
 日本人の心に棲むあやしいものの正体を求める珍道中を描いた3つの短編もののけ物語。それぞれこんな話。
 ・「座敷わらしの右手」:
 大学4年生の"高橋真矢"は、映画研究会在籍の実力を買われ、アルバイトで民俗学者"布目准教授"の助手となった。布目の現地調査に同行して遠野へ向かい、「敷わらし」を撮影するため、子供が8人いる家庭を訪問する。そこでスイカを食べる子供を数えるとひとり多い...。
 ・「河童沼の水底から」:
 "高橋真矢"は親の仕送りがストップされ、バイト探しも苦戦していた。そんな時に"布目"から「日当を出すからフィールドワークの助手をお願いできないか」と頼まれる。そして2人は去年から「河童」の目撃談が増え、河童伝承が残っている三ツ淵へ向かう...。
 ・「天狗の来た道」:
 夏の終わり、布目に誘われて、"高橋真矢"は広島の実家近く、山陰の霧北へ「天狗」を探しに行くことに...

 これ、昔から日本に棲む妖達の正体を探していく物語。妖怪や幽霊的な日本の地方に根付く民俗学の部分と歴史的な解釈、文化人類学の知識を融合させていくんだけど、なかなか秀逸。で、自分的にはラストに驚いた「座敷わらしの右手」が一番好きかも。いい感じの1冊です。

cf. 荻原浩 読破 List
- 最後の恋 MEN'S -つまり、自分史上最高の恋。-/朝井リョウ・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・越谷オサム・白石一文・橋本紡 (2012)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
- 逢魔が時に会いましょう (2018)

| | Comments (0)

より以前の記事一覧