Thursday, October 10, 2019

「警察庁長官を撃った男/鹿島圭介」を読んだ

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 会社の友達Kmt君から借りた本達。今回読んでみたのは鹿島圭介の「警察庁長官を撃った男」(新潮社文庫)について。
 こんなあらすじ。1995年3月、日本中を震撼した国松孝次警察庁長官狙撃事件が起きる。特別捜査本部を主導する警視庁公安部がオウム犯行説に固執する一方、刑事部は中村泰なる老スナイパーから詳細な自供を得ていた。しかし特捜本部は中村逮捕に踏み切らず、事件は時効を迎えてしまう。警察内部の出世とメンツをかけた暗闘や、中村の詳細な証言内容など極秘捜査の深層をえぐるノンフィクション小説がこれ。
 この小説が事実だとすると、オウムによる犯行に固執してしまい最後まで犯人にたどり着けず、未解決事件として時効を迎えてしまった特捜本部の責任は重い。自供した老スナイパー"中村"の心情も、銃を追い求めてアメリカまで渡った刑事部"中村捜査班"の実を結ばなかった執念も描かれているけど、結局は警察内部のいざこざとくだらないメンツが最悪だったと思う。読み応えがあるノンフィクション小説だった。

cf. 鹿島圭介 読破 List
- 警察庁長官を撃った男 (2012)

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Thursday, October 03, 2019

「風のマジム/原田マハ」を読んだ

Mahaharada_kazenomajimu ちょいちょい読んでる原田マハ。馬事公苑TSUTAYAで買って読んだ「風のマジム」(講談社文庫)について。
 こんなあらすじ。琉球アイコム沖縄支店総務部勤務の"伊波まじむ"は、たまたま飲んだラム酒に感激して、社内のベンチャーコンテストに純沖縄産のラム酒を作りたいと応募する。まじむの事業計画は、南大東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだった...。
 これ、沖縄最果ての地の南大東島で起業した女性を描いた実話に基づいた小説。技術もお金も人脈もなんにもないところから、大好きなばあーばに怒られながら、ひとつひとつ夢を実現していくんだけど、彼女の彼女の純粋な思いだけで人を動かしていくところに、読んでて思わず応援したくなる。特にばあーばが倒れ、病床でまじむが必死に語りかけるシーンとか、辺鄙な場所に建てた工場で生まれた最初のラム酒のシーンとか、思わず泣けてしまった。
 ちなみに「まじむ」とは沖縄の方言で「真心」のこと。熱いんだけど清々しくて、気分爽快になれた小説。この小説の題材になった「ラム酒販売 コルコル屋」にラム酒を注文したくなりました。

cf. 原田マハ 読破 List
- カフーを待ちわびて (2006)
- 一分間だけ (2007)
- ランウェイ☆ビート (2008)
- さいはての彼女 (2008)
- キネマの神様 (2008)
- 花々 (2009)
- 翼をください (2009)
- 本日は、お日柄もよく (2010)
- 星がひとつほしいとの祈り (2010)
- 風のマジム (2010)
-
まぐだら屋のマリア (2011)
- 永遠をさがしに (2011)
- いと-運命の子犬-/原田マハ(文)・秋元良平(写真) (2011)
- 小説 星守る犬/原田マハ(著)・村上たかし(原作) (2011)
- 楽園のカンヴァス (2012)
- 旅宿おかえり (2012)
- 生きるぼくら (2012)
- いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵(2013)
- ジヴェルニーの食卓 (2013)
- 総理の夫 First Gentleman (2013)
- 翔ぶ少女 (2014)
- 太陽の棘 (2014)
- 奇跡の人 The Miracle Worker (2014)
- あなたは、誰かの大切な人 (2014)
- 異邦人(いりびと) (2015)
- モダン (2015)
- 暗幕のゲルニカ (2016)
- デトロイト美術館の奇跡 DIA:A Portrail of Life (2016)
- リーチ先生 (2016)
- 恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
- アノニム (2017)
- たゆたえども沈まず (2017)
- いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画 (2017)
- スイート・ホーム (2018)
- フーテンのマハ (2018)
- 常設展示室 Permanent Collection (2018)

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Monday, September 30, 2019

代官山通信Vol.147

Daikanyama147 だいぶ前に届いたサザンFAN CLUBの会報「代官山通信 Vol.147」について。
 今号は「サザンオールスターズ LIVE TOUR 2019『"キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!"だと!? ふざけるな!!』」の大特集。ライブレポート、膨大なステージ写真の数々、セットリスト、メンバー5人のインタビュー、スタッフによるオフショットギャラリーなどなど。しっかし会場ごと、ご当地ごとに用意されたマンピーのかつらは毎度のことながら芸が細かい。
 そんな感じで42年目に突入したサザン。これからも。

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Friday, September 27, 2019

「東京銭湯 お遍路マップ」を読んだ

Tokyosentoohenromap 昔から銭湯が大好きだったけど、この5月FB上の銭湯サポーターに加入してから本格的に湯活を始めた今日この頃。そんな中、代田橋の「湯の楽 代田橋」で買った「東京銭湯 お遍路マップ」(東京都公衆浴場組合)について。
 これ、2017年に刊行された東京都の公衆浴場が網羅されたもので、その当時営業していた568軒の銭湯が掲載されているんだけど、廃業や休業が進み、実際は減少傾向にあるのは事実。それでもこういう地図があると、Google Mapでは実感できない距離感がよくわかる。
 それにしてもこの本の値段は100円だし、いろいろと企画されるスタンプラリーやイベントなど、日ごろの組合の努力にはほんと頭が下がる。いろいろな理由で休業や廃業が起きてしますけど、僕たちにできることはただただ銭湯に通うこと。これからも湯活でいこう。

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「下町ロケット ヤタガラス/池井戸潤」を読んだ

Junikeido_shitamachiyatagarasu たまーに読んでる池井戸潤。「下町ロケット ゴースト」に続き世田谷中央図書館で借りて読んでみた「下町ロケット ヤタガラス」(小学館)について。
 こんなあらすじ。ギアゴーストの"島津裕"は佃製作所の"佃航平"を訪ね、「ギアゴーストが小型エンジンメーカーのダイダロスを資本提携し、島津自身は社長の伊丹大と経営方針で対立し、ギアゴーストを退社したこと」を伝えた。そして佃航平は"伊丹"から「ギアゴーストに新バルブを納入する予定だったが、農機具メーカーのヤマタニの経営計画変更に伴いトランスミッションそのものが棚上げになってしまった」と聞かされる。そんな折、帝国重工の"財前道生"は宇宙航空企画推進グループ部長になっていた。財前は佃航平を訪ね、今の日本の農業は高齢化による離農という大きな問題を抱えており、そんな危機的状況を救いたいという思いで立ち上げた無人農業ロボットの開発計画に協力を要請する...。
 大きな目標に向かって、さまざまな妨害に会いながらも努力を重ね、困難を乗り切って、最高の笑顔を見せるという完全なる王道パターンなんだけど、今回は過去の因縁と復讐、下請いじめ、ソースコード盗用、離農などの陰湿な部分が物語全体を占めいて、ちょっと暗めに振られている。それでもライバル社に自分達の技術を提供してまで日本の農業を救おうとする佃と財前の姿勢はやっぱりジーンとしてしまった。大いなるマンネリズム、万歳!

cf. 池井戸潤 読破 List
- 架空通貨 (2003)
- 仇敵 (2003)
- 株価暴落 (2004)
- オレたちバブル入行組 (2004)
- 銀行仕置人 (2005)
- シャイロックの子供たち (2006)
- 空飛ぶタイヤ (2006)
- 鉄の骨 (2009)
- 民王 (2010)
- 下町ロケット (2010)
- 新装版 不祥事 (2011)
- かばん屋の相続 (2011)
- ルーズヴェルト・ゲーム (2012)
- 七つの会議 (2012)
- ようこそ、わが家へ (2013)
- 下町ロケット2 ガウディ計画 (2015)
- 陸王 (2016)
- アキラとあきら (2017)
- 花咲舞が黙ってない (2017)
- 下町ロケット ゴースト (2018)

- 下町ロケット ヤタガラス (2018)

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Thursday, September 26, 2019

「STAR WARS IDENTITIES : EXHIBITION CATALOGUE」を読んだ

Swidentitiescatalogue 先月寺田倉庫に観に行ったSTAR WARS IDENTITIES THE EXHIBITION」。この展覧会で買った「STAR WARS IDENTITIES : EXHIBITION CATALOGUE」を読んだ。
 これ、Lucasfilm Archivesの数々の"異物"を展示した今回の「STAR WARS IDENTITIES THE EXHIBITION」のアイテムが網羅されたカタログ。じっくり読んで気づいたことは以下。
1) 展示会を見てるとき、EP8以降のキャラクターで唯一展示されたのがBB8だけど、このカタログに載っていないこと。これはなんなんだろう。
2)「Darth Vader」「Amidala」「Stormtrooper」「Yoda」「C-3PO」「Boba Fett」がこの展示会のポスターになっているけど、そのパーツがそれぞれ関係の深いモノで構成されていること。例えば、Darth Vaderは帝国軍のビークルやDeath Starで構成され、StormtrooperはEP2にあった大量のClonetrooperのシーンのように、大量のStormtrooperで構成されている。いいデザイン画だと思う。
3) やっぱり衝撃だったのが、展示会の場でなぜかJar Jar Binksの展示を見落としたこと。これは....。
 ともかくいい展示会だった。やっぱりJar Jar Binksに会いにもう一度寺田倉庫に行くべきなんだろうな。

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Tuesday, September 24, 2019

「サザンオールスターズ公式データブック1978-2019」を読んだ

Southernallstarskoshikidatebook 去年2018年6月にデビュー40周年を迎えたサザンオールスターズ。そんな彼らの軌跡を網羅した1冊「サザンオールスターズ公式データブック1978-2019」(リットーミュージック)について。
 これ、1978年のデビュー以前から、80年代、90年代、2000年代の活動を代表曲とともにつづったヒストリー、サザンの全AlbumとCDSと映像作品やメンバーのソロ作品をレビューしたディスクガイド、ツアーやコンサートの全会場リストやセトリなどが264ページにもわたって収録されている。
 特によかったのは歴代のVictorのレコーディング・エンジニアが語るビクター401スタジオ(通称"サザン・スタジオ")でのAlbum誕生秘話。アナログからデジタルへの過渡期、小林武史との蜜月、桑田の病的なまでのこだわりなどこれは面白かった。それと辞めた大森隆志の写真もちゃんと載っていて素直によかった。
 で、やっぱり思ったのは、サザンの軌跡を追うということは、自分の軌跡を追うということだった。高校生の時初めて行ったたサザンのLiveの横浜市教育体育館でのアンコールで演奏された「いなせなロコモーション」とか、擦り切れるまでテープで聴いた「バラッド」とか、大学生2年の頃、KUWATA BANDでの「BAN BAN BAN」とか、西武球場で巨大飛行船とともに演奏された「みんなのうた」とか、この本を読み、その音楽を聴くたびにいろんな思いでがよみがえってくる。そんなバンド、サザン以外にありえない。

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Wednesday, September 18, 2019

「高校事変/松岡圭祐」を読んだ

Keisukematsuoka_koukoujihen 会社の友達Kmt君から借りて読んでみた松岡圭祐の「高校事変」(角川文庫)について。
 こんなあらすじ。"優莉結衣"は、平成最大のテロ事件を起こし死刑になった男の次女で、今は武蔵小杉高校の2年生になっていた。この武蔵小杉高校をを"矢幡内閣総理大臣"が訪問することになり、総理がSPとともに校舎を訪れ生徒や教員らとの懇親が始まるが、突如武装勢力が侵入してくる...。
 これ、謎の武装集団の襲撃により戦場と化した高校で、テロリストの父親の教育を受けた高2の少女が、化学や銃器の知識を用いて戦いを挑むというバイオレンスアクション小説。少女の父親の犯罪組織はオウム真理教や日本赤軍のような設定だったり、武装勢力に占拠された場所で戦う主人公という流れからから映画「ダイ・ハード」や「エンド・オブ・ホワイトハウス」出てきたりする。少子高齢化や従軍慰安婦問題も出てきて、極限状態に於ける少年少女の心理とともに現代の暗部が列挙が描かれる。この少女の行動原理が正義感ではなく、暴力への欲望であるところも斬新で、自分的にはあの「バトル・ロワイヤル」のバイオレンスを思い出した。
 いやーこれでもかというエンタメ小説、「高校事変II」もぜひ読もうと思う。

cf. 松岡圭祐 読破 List
- 黄砂の籠城 (2017)
- 黄砂の進撃 (2018)
- 高校事変 (2019)

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Tuesday, September 10, 2019

「本と鍵の季節/米澤穂信」を読んだ

Honobuyonezawa_hontogaginokisetsu たまに読んでいる米澤穂信。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「本と鍵の季節」(集英社)について。
 こんなあらすじ。高校2年の図書委員"堀川次郎"は利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門と当番を務めていた。そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が亡くなった祖父が遺した開かずの金庫の鍵番号を探り当ててほしいと訪ねてきた...。
 これ、放課後の図書室に持ち込まれる謎に、図書委員の男子高校生ふたりが挑むという連作短編ミステリー小説。この堀川と松倉のキャラがよくて、地味な図書委員という役割ながら、冷静な観察力、洞察力、そしてそもそもの着眼点を持っていて、2人のべったりじゃない距離感もよかった。確かに読みやすいけど、後味のほろ苦さもまずまず。ほんとまずまずの佳作。

cf. 米澤穂信 読破 List
- 氷菓 (2001)
- 愚者のエンドロール (2002)
- ボトルネック (2006)
- インシテミル (2007)
- 儚い羊たちの祝宴 (2008)
- 追想五断章 (2009)
- 満願 (2014)
- 真実の10メートル手前 (2015)
- 本と鍵の季節 (2018)

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Thursday, September 05, 2019

「消滅 VANISHING POINT/恩田陸」を読んだ

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 たまに読んでる恩田陸。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「消滅 VANISHING POINT」(/)(幻冬舎文庫)について。
 こんなあらすじ。超大型台風接近中の日本、国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。大規模な通信障害でスマホなどモバイル機器は使用不能な中、彼らは時間だけが経過し焦燥していた。その中の1人の女が「当局はこの中にテロ首謀者がいると見ている。それを皆さんに見つけ出していただきたい」と言ったが、その女は高性能AIを持つヒューマノイドだった。10人は恐怖に慄きながら誰がテロリストなのかの推理を開始する...。
 これ、空港での入管を拒まれた人々がお互いを不信に抱きながら進む密室小説。高性能AIを持つ女性ヒューマノイドが狂言まわしとなり、探偵役となった十時、ワンタンへの執着心が凄い小津、飛行機好きの岡本喜良、ヒューマノイドを欲しがる三隅渓などなど10人それぞれの目線で話が進んでいく戯曲のような作品。バイオテロ、ウィキリークスなど、SFっぽくてネタ的には面白い正直、前半の冗長な感じはツラかった。うーん、微妙...。

cf. 恩田陸 読破 List
- 六番目の小夜子 (1992)
- 三月は深き紅の淵を (1997)
- 光の帝国 常野物語 (1997)
- 月の裏側 (2000)
- ネバーランド (2000)
- puzzle(パズル) (2000)
- ライオンハート (2000)
- ドミノ (2001)
- 図書館の海 (2002)
- ねじの回転-February Moment (2002)
- 蛇行する川のほとり (2004)
- Q&A (2004)
- 夜のピクニック (2004)
- ユージニア (2005)
- 蒲公英草紙 常野物語 (2005)
- エンド・ゲーム 常野物語 (2006)
- 朝日のようにさわやかに (2007)
- 木漏れ日に泳ぐ魚 (2007)
- きのうの世界 (2008)
- 私の家では何も起こらない (2010)
- 私と踊って (2012)
- EPITAPH東京 (2015)
- 消滅 VANISHING POINT (2015)
-
 蜜蜂と遠雷 (2016)

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