Tuesday, June 11, 2019

「黄砂の進撃/松岡圭祐」を読んだ

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 会社の友達Kmt君から借りて読んでみたのは松岡圭祐の「黄砂の籠城」(2017)。この義和団の変を中国側の視点で描いた「黄砂の進撃」(講談社文庫)について。
 こんな
あらすじ。清朝末期、辮髪と纏足で自由を縛られ、満州族に虐げられていた漢人は、宣教師にも生活を蹂躙され不満は頂点に達していた。そんな中、元・舟漕ぎで酒ばかり飲んで暮らしていた"張徳成"は、「扶清滅洋」の旗印のもと蜂起した「義和団」の指導者として祭り上げられる。巨大化していく義和団は、駐在武官"柴五郎"らの立て籠もる北京公使館区域に攻め入っていく...。
 これ、元・舟漕ぎの張徳成が指導者の一人としてのちの義和団となる義和拳に合流し、「天下第一壇大師」となってその義和団を率い、北京の外国公使館区域(東交民巷)を包囲し、逆に列強諸国の援軍に包囲されて敗れるまでの経緯が描かれている。この張徳成はいきがかり上、義和団を率いることになったものの、本来の民衆蜂起の目的であるキリスト教宣教師による内政干渉と横暴を止めさせるにはどうしたらいいか考え、未来の理想像としてみんなが平等に百姓か労働者で等しく教育を受け、平和に共存する社会を描く人物として語られている。
 日本側から描いた「黄砂の籠城」と今回読んだ中国側から描いた「黄砂の進撃」を読んで、歴史をある一面から見るだけではいけないということが伝わった。ちなみに「黄砂の籠城」と「黄砂の進撃」を編集した「義和団の乱 黄砂の籠城・進撃 総集編」もあるらしい。今度読んでみようと思う。

cf. 松岡圭祐 読破 List
- 黄砂の籠城 (2017)
- 黄砂の進撃 (2018)

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Tuesday, June 04, 2019

「ウルトラ・ダラー/手嶋龍一」を読んだ

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 会社の友達Kmt君から借りた本達。今回読んでみたのは手嶋龍一の「ウルトラ・ダラー」(新潮文庫)について。
 こんなあらすじ。2002年ダブリンで、巧緻を極めた新種の偽100ドル札「ウルトラ・ダラー」がが発見される。BBCのラジオ特派員で英国情報部員"スティーブン・ブラッドレー"はその裏に隠された謎を追う。その「ウルトラ・ダラー」は、1968年東京で若き彫刻職人が失踪した事件がすべての始まりだった...。
 これ、ダブリンで発見された超精巧な偽100ドル札「ウルトラ・ダラー」の製造地、経路、そして発行の目的を追う英国情報部員の姿を描いた小説。アメリカ、イギリス、日本、そして中国、北朝鮮が絡み、その裏でハイテク企業の無邪気な陰謀、拉致と核兵器という北朝鮮との日本外交の暗闇など熾烈な諜報戦のすえに浮かびあがってくる。そんな「外交においての信頼できる価値ある情報」である「インテリジェンス」を収集していく過程が面白い。
 この小説を書いた手嶋龍一は前NHKワシントン支局長で、2001年の同時多発テロでは11日間も中継放送を行った人物。その手嶋龍一の好敵手で盟友で外交官で作家の"佐藤優"がこの小説の解説を書いているんだけど、これがとてもわかりやすい。まず「インテリジェンス小説とは、公開情報や秘密情報を精査、分析し、近未来で起こるであろう出来事を描く小説である」と定義し、これを書くには、秘密情報が入ってくる特権的な場所にいて、世に流れる膨大な公開情報から必要な内容を精査できるインテリジェンス能力と起きていることを描ける分析能力を持ち、その描いた内容を確認できる友人を政界や官界に持つことが必要としている。確かにそうだろうな。
 ちなみこの小説のラストはきっと賛否両論だったと思う。ともかく、この「ウルトラ・ダラー」の姉妹編と位置づけられてる「スギハラ・サバイバル」も貸してくれたんで、楽しみに読んでみよう。

cf. 手嶋龍一 読破 List
- ウルトラ・ダラー (2006)

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Monday, May 27, 2019

「常設展示室 Permanent Collection/原田マハ」を読んだ

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 ちょいちょい読んでる原田マハ。世田谷中央図書館で借りた「常設展示室 Permanent Collection」(新潮社)について。
 美術館の「常設展示室」で出会った一枚の絵画をきっかけに、運命が変っていくという6つの短編集。それぞれこんなあらすじ。
 ●「群青 The Color of Life」:
 故郷から遠く離れたNYのメトロポリタン美術館で憧れの職に就いた"美青"は、ある日訪れた眼科でピカソの画集に夢中になる弱視の少女と出会う...。
 ●「デルフトの眺望 A View of Delft」:
 絵画の仕事で世界各国を飛び回る"なづき"は少し前に父親を亡くす。なづきの代わりに最期まで父親の傍にいたのは弟の"ナナオ"だった...。
 ●「マドンナ Madonna」:
 憧れだったアートの仕事に邁進するも、年をとった母親になかなか優しくできず戸惑う女性"あおい"。母親からの些細な電話ひとつにイライラしてしまい、なかなか優しくすることができない。そんなとき、ラファエロの「大公の聖母」にまつわる母とのエピソードを思い出す...。
 ●「薔薇色の人生 La Vie en Rose」:
 役所のパスポート発行窓口で働く"多恵子"は、壁にかかっていた「La Vie en Rose」と書かれた色紙についてある男から尋ねられた。その男はちょっと気取っていて、多恵子は気になって仕事が手に着かなくなった...。
 ●「豪奢 Luxe」:
 "紗季"は、IT起業家の愛人となり、大好きだったギャラリーでの仕事を辞めてまで彼のそばにいようするが、自分の決めた退職という選択に迷いを持っていた...。
 ●「道 La Strada」:
 時代の寵児となった現代美術の女性教授は、審査員として参加した美術コンクールで、候補作の中に古い記憶に触れる作品を見い出す。それは引き裂かれた兄妹の物語だった...。

 これ、どの話も悩みを抱える女性が主人公で、ふと出会った絵画に背中を押されていくというもの。個人的に一番グッと来たのが、最後の「道 La Strada」。引き裂かれた兄妹の過去が切なすぎて、思わず電車の中でうるっときた。
 ちなみに登場する絵画はこれ。
 ●パブロ・ピカソ「盲人の食事」 (from「群青 The Color of Life」)
 ●フェルメール「デルフトの眺望 」(from「デルフトの眺望 A View of Delft」)
 ●ラファエロ「大公の聖母」 (from「マドンナ Madonna」)
 ●ゴッホ「ばら」 (from「薔薇色の人生 La Vie en Rose」)
 ●アンリ・マティス「豪奢」 (from「豪奢 Luxe」)
 ●東山魁夷「道」 (from「道 La Strada」)

 アート作品を描く原田マハ、やっぱり彼女の真骨頂だと思う。

cf. 原田マハ 読破 List
- カフーを待ちわびて (2006)
- 一分間だけ (2007)
- ランウェイ☆ビート (2008)
- さいはての彼女 (2008)
- キネマの神様 (2008)
- 花々 (2009)
- 翼をください (2009)
- 本日は、お日柄もよく (2010)
- 星がひとつほしいとの祈り (2010)
- まぐだら屋のマリア (2011)
- 永遠をさがしに (2011)
- いと-運命の子犬-/原田マハ(文)・秋元良平(写真) (2011)
- 小説 星守る犬/原田マハ(著)・村上たかし(原作) (2011)
- 楽園のカンヴァス (2012)
- 旅宿おかえり (2012)
- 生きるぼくら (2012)
- いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵(2013)
- ジヴェルニーの食卓 (2013)
- 総理の夫 First Gentleman (2013)
- 翔ぶ少女 (2014)
- 太陽の棘 (2014)
- 奇跡の人 The Miracle Worker (2014)
- あなたは、誰かの大切な人 (2014)
- 異邦人(いりびと) (2015)
- モダン (2015)
- 暗幕のゲルニカ (2016)
- デトロイト美術館の奇跡 DIA:A Portrail of Life (2016)
- リーチ先生 (2016)
- 恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
- アノニム (2017)
- たゆたえども沈まず (2017)
- いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画 (2017)
- スイート・ホーム (2018)
- フーテンのマハ (2018)
- 常設展示室 Permanent Collection (2018)

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Thursday, May 23, 2019

「光秀の定理/垣根涼介」を読んだ

Ryosukekakine_mitsuhidenoteiri 会社の友達Kmt君から借りた本達。今回読んでみたのはひさしぶり垣根涼介の「光秀の定理」(講談社文庫)について。
 こんなあらすじ。
牢人中の"明智光秀"は、若き兵法者の"新九郎"と辻博打を行う破戒僧"愚息"と出会う。光秀は幕臣となった後も2人と交流を続けていた。やがて"織田信長"に仕えた光秀は、初陣で長光寺城攻めを命じられる。敵の戦略に焦る中、愚息が得意とした「四つの椀」の博打を思い出すが...。
 わずかな扶持を得て奮闘する十兵衛(明智光秀)と剣豪・新九郎と破戒僧・愚息の3人が、生きた時代を描いた歴史小説。正直、明智光秀というと本能寺の変での「裏切り者、反逆者、逆賊、三日天下」といったマイナスイメージだった。でも、この小説では、新九郎と愚息の魅力的な2人の存在によって、光秀はマジメで義理人情に厚くて、文武両道で、友情を大事にする人と描かれている。さらに徹底的な合理主義者の織田信長や、細川藤孝との関係性とかもいい。なかなか読み応えある歴史小説でした。

cf. 垣根涼介 読破 List
- ヒートアイランド (2001)
- 光秀の定理 (2013)

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Thursday, May 16, 2019

「日本核武装/高嶋哲夫」を読んだ

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 会社の友達Kmt君から借りた本達。今回読んでみたのは高嶋哲夫の「日本核武装」(/)(幻冬舎文庫)について。
 こんなあらすじ。尖閣諸島を巡って海上自衛隊と中国の艦船のにらみ合いが続く中、国内では日本の核武装に向けた詳細な計画書が見つかった。表沙汰になることを恐れた政府は、防衛省の"真名瀬"に秘密裏に全容解明するよう指示する。真名瀬は計画に携わる大手企業や元自衛隊幹部、政界重鎮を突き止め、核爆弾完成が間近に迫っている事実をつかんだ。そんな中日本上空を北朝鮮の弾道ミサイルが通過し、尖閣諸島では海上自衛隊と中国軍の小競り合いが起き、日本の自衛官一人が亡くなってしまう。その自衛官は戦争阻止を誰よりも望んだ真名瀬の親友"森島"だった...。
 これ、尖閣諸島をめぐって海上自衛隊と中国の艦船のにらみ合いが続く中、みつかった核兵器製造に関する極秘リポートをめぐる政治戦争小説。尖閣諸島、南沙諸島、北朝鮮での進む核武装、中国とアメリカの密約など、実際の国際社会を背景にし、日本が核を持つこと持てることで反戦反核を説いている。しっかし核爆弾開発の工程、プルトニウムの量と入手法などなど核製造のディテールがほんと臨場感あった。なかなかのスケールでかいエンタメ小説だった。

cf. 高嶋哲夫 読破 List
- 日本核武装 (2016)

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Monday, May 13, 2019

「黄砂の籠城/松岡圭祐」を読んだ

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 会社の友達Kmt君から借りた本達。今回読んでみたのは松岡圭祐の「黄砂の籠城」(/)(講談社文庫)について。
 こんなあらすじ。1900年春、砂塵舞う北京では外国人排斥を叫ぶ武装集"義和団"が勢力を増していた。義和団は暴徒化して教会を焼き討ち、外国公使館区域を包囲した。足並みが揃わぬ列強11ヵ国を先導したのは、新任の駐在武官"柴五郎"率いる日本だった。日本は世界の先陣を切って漢人キリスト教徒を義和団から救出したが、義和団と同調した清軍率いる"西太后"は宣戦布告を決断し、公使館区域からの24時間以内退去を通告する。各国列強からの援軍も到着せず、20万人の義和団と清国軍の前に4,000人の外国人とキリスト教徒の命は風前の灯火となる...。
 これ、1900年中国で勃発した外国人排斥運動"義和団の乱"を描いた歴史小説。北京の外国公使館区域は義和団の兵士に包囲され、苦境に陥った列強の外交官達を救い、この危機に対処した日本人の姿を描いている。最後まで姿がわからない内通者の存在、キリスト教への中国農民達の憎悪、カトリックとプロテスタントの対立、迫る飢えと武器不足、そして残虐な殺戮シーンなどどんどん引き込まれていった。最近、清朝最後の皇帝溥儀の人生を描いた映画「The Last Emperor/ラストエンペラー」(1987)を観直したばかりだったので、ほんといいタイミングだった。
 しっかし、この小説、600ページ越えの長編だったけど、ほんと読みやすくほぼイッキ読んでしまった。いままで、松岡圭祐は「千里眼」の作家というイメージが強く、なんとなく縁がない状態だったけど、この小説はほんと面白かった。他の小説にも手を伸ばしてみようかな。

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cf. 松岡圭祐 読破 List
- 黄砂の籠城 (2017)

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Thursday, May 09, 2019

「東京パパ友ラブストーリー/樋口毅宏」を読んだ

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 個人的にツボな作家のひとり、樋口毅宏。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「東京パパ友ラブストーリー」(講談社)について。
 こんなあらすじ。"有馬豪"と"鐘山明人"は、同じ保育園に子どもを預けていた。"豪"はファンドマネージメント会社の社長で多忙を極めていて、毎朝娘の亜梨を保育園に送っていくだけ。"明人"は妻の"美砂"が多忙なタレント議員で、育児と家事全般を請け負っていた。お互いに顔見知り程度だったが、ある日、明人はLINEで豪を「お互いイクメンとして妻の悪口を言い合おうよ」と飲みに誘う。その晩、ゲイ不倫という地獄の釜の蓋が開いたのだった...。
 これ、同じ保育園に子どもを通わせるパパ友同士が恋に落ちるというBL、W不倫なドロドロのラブストーリー。イクメン、ミソジニー、ワンオペ育児、女性のガラスの天井などの社会風刺やリアルな時事ネタを絡ませて話は進んでいくんだけど、後半の修羅場はほんと凄さまじかった。ほほえましい表紙絵やタイトルで、軽い気持ちで読み始めた人には衝撃で不快なんだろうと思う。で、ドロドロなんだけど、ラストはさわやかなラブストーリー風で終わるという、不思議な読後感。やっぱり樋口毅宏はすごかった。

cf. 樋口毅宏 読破 List
- さらば雑司ヶ谷 (2009)
- 日本のセックス (2010)
- 民宿雪国 (2010)
- 雑司ヶ谷R.I.P. (2011)
- テロルのすべて (2011)
- 二十五の瞳 (2012)
- ルック・バック・イン・アンガー (2012)
- タモリ論 (2013)
- 甘い復讐 (2014)
- 愛される資格 (2014)
- ドルフィン・ソングを救え! (2015)
- さよなら小沢健二-1994-2015 樋口毅宏サブカルコラム全集- (2015)
- 太陽がいっぱい (2016)
- アクシデント・レポート (2017)
- 東京パパ友ラブストーリー (2019)

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Thursday, April 25, 2019

「ポイズンドーター・ホーリーマザー/湊かなえ」を読んだ

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 たまーに読んでる湊かなえ。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「ポイズンドーター・ホーリーマザー」(光文社文庫)について。
 母と娘、姉と妹、友人関係、そして男と女と後味が悪い6つの話が入った短編集がこれ。それぞれこんなあらすじ。
 ・「マイディアレスト」:
 親に厳しく育てられた姉と、甘やかされて育った妹。妹は妊娠していたが、町で妊婦を狙った暴行事件が多発していたその時期に、深夜外出中に殺害されてしまう...。異性関係に厳格な母親の言いつけ通りに過ごしてきた結果、異性との交際にコンプレックスがある姉が語り手で事件が起きる。それが蚤取り。
 ・「ベストフレンド」:
 脚本家を目指す作家3人が脚本新人賞を受賞する。その受賞式をきっかけに3人は連絡先を交換する。"涼香"は最優秀賞を取った"大豆生田"に、敵対心を持ちつつもメールではいい人を装って交流していた。大豆生田は、デビュー当初は芳しくなかったものの、賛否両論を生む結末で話題になり、徐々に有名になっていった。涼香はそんな大豆生田の姿を妬ましく思う。
 ・「罪深き女」:
 ミライ電機の店内で無差別事件を起こし死傷者15名を出した容疑者"黒田正幸"。この事件を引き起こさせたのは自分のせいだと"天野幸奈"は警察に訴えに来た。
 ・「優しい人」:
 "樋口明日実"は、母親によって「優しい子になれ」と躾られ、周囲から「優しい子」というレッテルを貼られるような子供に育てられてしまう。
 ・「ポイズンドーター」:
 女優の"弓香"の元に、かつての同級生"理穂"から故郷での同窓会の誘いが届く。弓香は欠席を表明したが、それは、今も変わらず抑圧的な母親に会いたくなかったからだった。
 ・「ホーリーマザー」:
 「ポイズンドーター」の続編。女優の"弓香"が、母親を「毒親」と発言していく中、その母親が交通事故で死んでしまう。そんな地元では、「弓香の母親は聖母のような人だった」という告発投書が雑誌に載ってしまう。

 思い込みが激しい人間、自分を中心に物事をとらえ、主役気取りでふるまう人間、自分の思い通りに子供を抑圧し縛り続けることが教育だと思い混んだ人間...どの話も嫌な結末を迎え、嫌な気分で読了を迎える。まさにイヤミスがつまりまくった短編集だった。

cf. 湊かなえ 読破 List
- 告白 (2008)
- Nのために (2010)
- 夜行観覧車 (2010)
- 往復書簡 (2010)
- サファイア (2012)
- 白ゆき姫殺人事件 (2012)
- 物語のおわり (2014)
- 絶唱 (2015)
- リバース (2015)
- ポイズンドーター・ホーリーマザー (2016)

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Wednesday, April 24, 2019

「ダイイング・アイ/東野圭吾」を読んだ

Keigohigashino_dyingeye たまに読んでる東野圭吾。三茶Tsutayaで買って読んでみた「ダイイング・アイ」(光文社文庫)について。
 こんなあらすじ。バーテンダーの"雨村慎介"は何者かに襲われ、頭に重傷を負ったが、犯人のマネキン職人は、慎介が交通事故で死なせた女性"岸中美菜絵"の夫、"岸中玲二"だった。けがの影響で記憶を失った慎介が事故について調べ始めると、周囲の人々は不穏な動きを見せ始める。やがて慎介の前に妖しい魅力に満ちた謎の女"瑠璃子"が現れる...。
 これ、多重事故による運転手の成り代わりよってひき起こる物語で、事故の遺族の夫と犠牲者である妻の私念によるホラーな復讐劇。この復讐劇が正直複雑で、犠牲者の恨みは乗り移っていくんだけど、その乗り移られた謎の女性が、主人公に性的に迫る理由がぜんぜん説得力がない。やっぱり最後の落とし所が怨霊とか整形になると、正直きつい。何だかすっきりしない読後感だった。
 東野圭吾作品って面白いのと微妙なのとがはっきり分かれる気がする...。

cf. 東野圭吾 読破 List
- ブルータスの心臓 (1989)
- 回廊亭殺人事件 (1991)
- 美しき凶器 (1992)
- 分身 (1993)
- むかし僕が死んだ家 (1994)
- パラレルワールド・ラブストーリー (1995)
- 悪意 (1996)
- 秘密 (1998)
- 白夜行 (1999)
- 予知夢 (2000)
- 嘘をもうひとつだけ (2000)
- レイクサイド (2002)
- 時生 (2002)
- 幻夜 (2004)
- さまよう刃 (2004)
- 容疑者Xの献身 (2005)
- 黒笑小説 (2005)
- ダイイング・アイ (2007)

- 赤い指 (2006)
- 流星の絆 (2008)
- 聖女の救済 (2008)
- パラドックス13 (2009)
- カッコウの卵は誰のもの (2010)
- プラチナデータ (2010)
- 白銀ジャック (2010)
- 麒麟の翼 (2011)
- 真夏の方程式 (2011)
- マスカレード・ホテル (2011)
- 虚像の道化師 ガリレオ7 (2012)
- ナミヤ雑貨店の奇蹟 (2012)
- 夢幻花 (2013)
- 疾風ロンド (2013)
- 祈りの幕が下りる時 (2013)
- 虚ろな十字架 (2014)
- マスカレード・イブ (2014)
- 禁断の魔術 (2015)
- 天空の蜂 新装版 (2015)

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Tuesday, April 23, 2019

「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い/西寺郷太」を読んだ

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 Kmt君に借りた大量の本の中からまずは読んでみた「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い/西寺郷太」(NHK出版新書)について。
 これ、1985年に発表された「We Are The World」という奇跡の曲がどのように生まれ、この曲がどんな事態を引き起こしたかを検証した音楽本。その前に白人アーティスト中心に生まれたBand Aid「Do They Know It's Christmas?」が、USでは黒人アーティスト中心にこのUSA for Africaは組まれている。その中心人物の3人は、作詞作曲をしたMichael JacksonとLionel Richieに、プロデュースをしたQuincy Jones。Michaelはともかく、Lionel Richieはそのピークからイッキに転げ落ち、Quincy Jonesもうつ病となり、一時音楽業界から身を引いたとのこと。これ以外にも、The Ponter Sistersのメンバーは消え、Stevie WonderもTina TunrnerもBilly Joelも失速し、Steve PerryはJourneyを脱退した...。そんな「呪い」をこの本は検証していて、なかなか面白かった。
 ちなみにこの本を書いたのは、ノナ・リーヴスのシンガーである西寺郷太。映画音楽から始まるポップスの歴史を解説したりと、その知識はハンパない。特に「プリンス論」(新潮新書)は読んでみよう。

cf. 西寺郷太 読破 List
- ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い (2015)

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